3
「あぁ……
アリサの悲痛な声が聞こえる。そろそろ
「消えて、消えて! お
アリサがそう
すべては
アリサがほとんど
「マシェラって……」
ドアのところで服が
「私の言葉が……
何が起きているのか、ようやく気づいたらしい。
しばらく、何の音もしなかった。アリサはじっとしているらしい。私には何も見えないけれども、おそらく、
「えっと……」
アリサは何か言おうとしているようだ。もう今なら、自分の言葉が現実になるとわかったはず。もしやけどを
「えっと……火が出る前の状態に、全部
そして、私は元通りの部屋に、そしてアリサの手の中にいた。
サイレンの音が鳴り
アリサは外へ出られる大きな
私にも外の景色が見える。
チハルだ。救急隊の1人が、チハルに
アリサは私を持ったまま、外へ飛び出した。
「チハル!」
「アリサ! 何があったの? 私、あなたの部屋で何かが燃えるのを見た気がしたのに」
「うん、ちゃんと話す。あの
「え?」
チハルは驚いた様子でアリサを見た。救急隊の人たちは、電話で何かやり取りした後、そのまま車に乗り込み、どこかへ行ってしまう。
「だからね、信じられないかもしれないんだけど。マシェラに燃えちゃえって言ったら、本当に燃えて、火が消えるって言ったら、本当に消えて。部屋が元通りになるって言ったら、本当に元に戻ったの。変だと思うんだけど」
アリサは私のことをチハルに説明している。チハルは考え
「ねえ、アリサ。それって、何でも思いどおりになるってことだよね?」
「え? ……うん、たぶん」
アリサはゆっくりとうなずく。チハルが私をじっと見つめた。何か考えるように、ゆっくりと。
「……私、そのぬいぐるみは捨てたほうがいいと思う」
チハルははっきりと言った。
「え? チハル?」
「捨てたほうがいいよ、アリサ。そんなモノ持ってたら、アリサがダメになっちゃう」
アリサの表情に、明らかな
「何言ってるの? せっかくのチャンスなんだから、使わない手はないよ」
「ダメだよ、アリサ。下手な使い方したら、アリサが成長できなくなっちゃう」
チハルはどうにかアリサを
「
アリサははっきりと言いきった。チハルが私に手を
「私が当てたんだから、チハルが
「そういうことじゃなくて!」
チハルは明らかに
「チハルは友だちだと思ってた。でも、マシェラを取るなら……」
チハルがその場で止まる。そのまま、彼女は
「そうよ、これでいいのよ」
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