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アリサは
「ねぇ、マシェラ。ただのぬいぐるみに何かできるとは思わないけどさぁ、もし心があるなら、白石くんを転校させてくれない? いや、まぁ、無理だってわかってるんだけどね」
それにしても、いったい、どれだけ不幸を
よほど具合が悪かったのだろう。アリサはそのまま
「うぅ……」
うめき声を上げながら、アリサは起き上がると、携帯を見た。
「え、チハル?」
パッと起き出し、電話を取る。
「もしもし、チハル?」
会話の
「うん、そうなの。……わからない。何だろう、私、
電話の相手はチハルという名前らしい。何を
「そうなんだよねー、あんなヤツの
例の
隣の家からこちらをのぞく少女は、
アリサは目の前の、電話口の少女に1時間近く、愚痴をこぼしていた。相手の子も、確かチハルと言っていたと思うが、よくこんなアリサの愚痴につき合う気になるなあ。
翌週の月曜日、アリサが学校から帰ってきたときのことだった。彼女はいきなり、私をつかむと、大声で
「あんたが来てから、前より悪いことがたくさん起きてるんだけど、どうなってるわけ? 何の
アリサの
「あたしが何かしたの? ねぇ、答えてよ! どうしてなの? もう、マシェラなんか、
完全に私のせいにされている。確かに、私もその原因の1つではある。ただ、元はアリサの発言だ。私は本来、
もっとも、私が何か思ったところで、それをアリサに伝える
どうすることもできない私に、アリサはとんでもないことを言ってしまう。
「燃えちゃえばいいんだ。マシェラから火が出る~」
大変だ、と思う間もなく、私の青いワンピースの
「きゃああっ!!」
アリサが私を取り落とし、近くにあった服に火が燃え移る。
火はワンピースの下のほうから燃え広がり、スカートと
他のことを考える
アリサは慌てて私から離れ、ドアに駆け寄る。私は「ダメ!」と叫びたかったが、アリサが私を話せるようにしてくれていないので、声は出ない。
炎は
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