第4話 ■学校/共同生活

■学校/共同生活

いつもの学校は憂鬱だった。

男尊女卑法が施行されたというのに、うちの学校にいるものは全ての性別が雄という環境だったからだ。

だから僕たちは女性を激しく求めていた、それは生徒たちだけではなく、男性教員だって同じだろう。

そんなある日僕たちにとっての転機が訪れた。


担任の畑山先生は僕たちにビッグニュースがあると告げた。

その内容は女子校との『交換生徒制度』が義務付けられたという。

その制度は1クラス辺り15名程を選出し、提携先の女子校へ通わすこと、また女子校も同じように15名程の女子生徒を、僕たちの学校にもおくってくるというものだった。


先生の情報によると、相手側の女子校は名門校であり、ある程度男性への心得などを学び始めているらしいが、男性と向き合い実践できるチャンスが無いということで、僕らの学校に依頼があったらしい。

この日ばかりは先生の発言を聞き漏らすものは誰も居なかった。

そして交換生徒制度は、来週から開始されるということを知ると、クラス一同は喜び合った。



また、彼女たちの『自分手帳』という生徒手帳に更に詳しい情報が乗った手帳のデータも送られてきた。

そこには彼女たちの顔写真と全体写真そしてなんとスリーサイズや胸のカップまで示されていた。僕は先生から配られた女子のデータをクリアファイルにいれて眺めた。

このファイルを眺めただけで股間が反応したのは僕だけでは無かったはずだ。


クラスから選出される15名には選ばれなかったので、女子校に行くことは出来なかったものの、この学校で来週から女子との共同生活が始まると思うと嬉しさと緊張で胸がいっぱいだった。

クラスは男尊女卑法の有難みで包まれた。



法律の力によってこれまでの日常は簡単に変えられてしまった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る