第3話 ■一年生用トイレ
■一年生トイレ
朝のホームルームを終えて用を足し、ポケットに手を入れると
先ほど没収した今仲達の下着があることを思い出した。
僕は時に本能的に理性を見失ってしまうことがある。
気づくと僕は空いていた個室に入り鍵をかけ、ポケットから下着を何枚か取り出しそれをじっと眺めた。
今仲はこれまで僕のことをなめまくり、不利な立場になればか弱い女を演じて周囲を騙し、私を貶めるように散々と困らさられてきた生徒だった。
その為、この下着を堂々と持てるようになった法律には感謝しかなく。
僕の本能的行動はそのようなトラウマと法律が正当化させていき、抑制がきかなくなりはじめた。
僕は彼女の下着を拡げてさっき脱いだばかりであろう下着の裏地はうっすらと湿っており、近くでよく見てみると周囲には短く薄い陰毛のようなものが生地にひっかかっていた。
鼻を近づけてみると、香ばしくもありしょっぱくもある、想像以上の鼻をつく匂いに思わず笑ってしまった。
あぁ、朝からどうすればこんなに下着を汚せるのか。
なんてことを考えながら変態ならではの優越感に浸りながら、一番のお気に入りでもある加藤の下着を嗜むことにした。
ナイロン素材の彼女の下着は汗のせいか全体的にうっすらと湿っていて、股間の一部分は過去についたであろう何かのシミあとが微かに残っていた。
匂いも鼻につかず、それでいて雄の本能をくすぐる雌独特の匂いが漂い、奥深い香りをいつまでも楽しんでいただろう。
静寂の中耳を澄ますと、隣の女子トイレからかすかな音が聞こえてきた。
「あーぁ。まーじ最悪だよねぇー。」
「でもさーうちらまだいいじゃん。3組とかマジ最悪らしいよ。女子の下着全部没収したんだってー。遠藤もエグイよねー」
「えー3組じゃなくてよかったー。でも2組とか校則違反してる子以外何もされなかったらしいよ。羨ましいよね。」
「わかるー。うんうん。2組の先生超余裕♪っていってたもんね。」
あの先ほどまでのホームルームがゆるかっただなんて信じられない。
彼女たちには厳しさが必要だったのか…なんなことを考えていると隣の女子トイレからは
「きゃ!遠藤先生!?ここ女子トイレですよっ!」
「そんなことはわかってる。見回りだ。文句あるか?」
「ありません。。。」
僕は堂々と女子トイレに入れる遠藤先生を羨ましく思いながら加藤の下着を顔に密着させることしかできなかったが、我に返ってみれば自分も同じようなことを出来る立場だということを再認識し、男子トイレを出た。
1年生の使用するトイレに行って同じことを試そうと思ったからだ。
生徒とすれ違ったが、どの生徒も皆はっきりとした笑顔で挨拶をしてくるようになっていた。
これも法律と各クラスのホームルームの影響力だと思うと、自分の立場の存在意義がさらに保たれるようにもなった。
僕は1年生が出入りするトイレに入るのは一瞬ためらったが、見回りの為と自分に言い聞かせて入ることにした。
どこか同じような景色だけど中は全く違った。
男子トイレには無い数の連なった個室のいくつかは埋まっていて、僕は何気なく壁に書かれている注意書きを読んで驚いた。
『鍵の使用を禁止する』
これが意味するのは目の前の扉は鍵がかかっておらず、おそらく生徒が用を足してるであろう。そんな場所に踏み入れて良いものかと一瞬頭をよぎるが、これも生徒の為と思い聞かせ、気づくと一気に扉を開けていた。
「きゃぁっ!!」
おそらくバレー部や陸上部であろう日焼け跡がくっきりとした肌の美女が便器にまたがり、だらしなく小便を垂れ流しながら驚きを声に出し状況を飲み込んだのか、
「ごめんなさい、ごめんなさい」と女子生徒は止めれぬ放尿を全力で恥じながら小声で謝罪し、まだまだ発達途中の股間から僅かに生える陰毛を僕の前に晒し、徐々に勢いは弱まり、水滴がポトポトと音を鳴らすと彼女は急いで紙をまるめ、またぐらをふき取った。
内心その光景の非日常さについていけなくなりそうもなった。
僕はつい不安になり
「見回りだ。問題ないな?」と聞いてしまったが
「はい。。問題ございません。。」と顔を赤らめて答えるだけだった。
「はい、では拭き残し無いようにな」と言葉を残し
僕は自分に与えられた力を再認識しながら職員室へと戻っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます