第6話 スクラヴォス・ガウラス 手紙
スクラヴォスからヴァシリオスへの出せなかった手紙
兄さん、ヴァシリオス・ガウラスへ
あれから兄さんの痕跡を追い続けてもう何年になるか
もしかしたら会うことができないかもしれない、
もしかしたら私もジャームとなってこれを渡すことはできないのかもしれない
だが、これは私の心の整理をつけるためと、
いつしか兄さんを救うための決意を再確認するために遺しておくことにする。
覚えているだろうか、幼い頃に王と奴隷という物語を読んで、兄さんは前へと進む王に憧れ、
私はその王を支える奴隷に憧れていた。
どんな時でも、王が間違った道を歩もうとも、
時には支え、時には導き、時には間違ってぶつかりあった物語だ。あの本はずっと、
私の大事な思い出のひとつとなっている。
もしも、もしもまた兄さんと共にいられるのなら今度こそ……いや、この手紙ではよそう。
でも覚えていてほしい……私はずっと、兄さんを家族として愛している。
今度こそ、救う
スクラヴォス・ガウラス
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