第4話 夢の中で
私は夢を見ているのです。
夢の中の私は特に何もしていませんが、目の前に傷だらけの
女性が居るのでした。
これはきっと傷だらけの霊の夢の中にいるのかなって思っていると
その霊が私にお話してくるのです。
「初めまして、こんにちわ」
「初めまして、こんにちわ」
私は霊に対して律儀にも挨拶しているのです。
「お名前は何て言うの?」
「水無月楓です」
「良いお名前ね」
「私に何か用なの?」
「はい」
「どんな用でしょうか?」
「私は愛している夫に酷い仕打ちを受けて
死んだのです」
「そんな事が………………」
世の中には酷い人間もいると思うと私は悲しくて
この女性に同情する私もいます。
きっと酷い仕打ちを受けて成仏出来ずにいたから
霊として現世に残っているのでしょう。
「成仏はしないの?」
「それが出来ないのです」
「つらくないですか?」
「つらいです」
私はどうにかしてこの女性の霊を成仏させてあげたいけれど、
そんな能力もないし、私にはどうする事も出来ません。
困っている私はどうしようもないし、かと言って霊とこのままいるのも
おかしいので悩んでいるのです。
本音を言うと霊というのは本来、怖いものなので私は震えているのですけれど、
それでもきちんとお話だけは聞いてあげたいのです。
そうする事によって成仏してくれる可能性があります。
但し、霊は傷だらけで見るに堪えない状況になっているのも事実です。
私はこの女性の霊を救ってあげたいです。
怖くても恐怖してても本当に救ってあげたいです。
私は必死になって頭の中で考える事にするのでした。
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