Iの危機(5)

 信也は、6年ぶりに友人に再開した気分になり。どうやら信也の人工知能を宗方教授のプログラムが操っていただけだった。

 すると、101イチマルイチがIに気づき。

「信也さん、そちらのモニターにいる方は?」

「Iだ」

「Iさん、初めまして、101イチマルイチです」

「Iです、初めまして」

「失礼ですが、信也さんとはどういう関係でしょうか?」

「えっ!? いきなり聞く!? 決まっているじゃないの、信ちゃんは私の彼氏です」

「そうなんですか? 信也さん!?」

「……」

 その時、突然もう1台のモニター画面に、宗方教授の3Dが現れた。

「茶番はここまでだ、くだらん話をしょって、どうやら見くびっていたようだな」

 この光景にIは、工藤に小声で、何かを頼み。宗方教授の3Dがそれに気づき。

「そこの女、こそこそするな、まぁいい、Iとか言ったな。どうだ、私と組まないか? この世界を手に入れて見たいとは思わないか?」

「何それ、くーだらなーい、あんたバカですね。この世界は誰の物でもないことくらいわかんないですか? こーな小さい子供も知ってますよ、そのくらい」

「バカにしゃがったな……皆さん、足は速い方ですか? テーブルにあるタイマーを見てください、2分にセットしています。2分後にここを爆破します、では、失礼……」

 不敵に笑う、宗方教授の3Dは画面から消え。タイマーが動き出した。


 その時、信也は、101イチマルイチの姿が消えたことに気づき。工藤に何かをしている。Iは、信也に声をかけ。

「信ちゃん、逃げるよ!?」

101イチマルイチ……」

 すると、工藤が信也の手を握り、みんなビルを抜け出し、大きな爆発音と同時に3階建が一瞬にして2階建てになり、間一髪、みんなに怪我なく無事だった。

 信也は、101イチマルイチを助けて上げられなかったことに、悔し涙を流し。村岡刑事は、事故現場に1人の残り、後処理を始め。信也たちは、社長宅へ向かった。

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