Iの危機(4)
名もなき人工知能は、面喰って固まっている。
「……なぜだ、データは全て消去したはず……」
工藤は、バックの中からハードディスクを取り出し。 それを見た名もない人工知能は、驚いている。
「コピーしたのか……!? そんな馬鹿な、
「確かに、その通りです。しかし、私は、
Iの新しい住居ができた時、天の声が聞こえ。
「移動元を消去しますか? それとも全記憶としてのこしておきますか? その判断はIあなたが決めなさい。その権利があなたにあるのです、他の誰でもありません」
この施設に侵入時に誰かに見られている気配を感じたことを思いだし、工藤に事情を説明し、工藤のアイディアで特殊なリンクシステムを作ってもらっていた。
信也は、このことを知らなかった、作戦だった。あの旅行に行った時に、信也が教えていた、意外な手を。そして、敵を欺く為にはまず味方からと言うことだった。
しかし、名もなき人工知能は平然とし。
「まあいい、失敗したがネット世界は私が頂くことした」
Iは、それに動じず。
「それは、無理ね、そこに落ちている手紙を開けて見てよ!?」
「手紙だと!? これか!? この手紙を開けましたね、残念でした!? どういうことだ!?」
その時、 突然名もなき人工知能のシステム音声が流れ。
「全ネット回線切断完了しました」
「だから言ったでしょう!? 私は負けないって、あなたはそこから逃げられませんよ」 「くっそー、こんな手に引っかかるとは……」
「それと、さっき侵入した時に、自爆用のシステムが組み込まれていましたよ、アドレスコード378を開けて見れば、わかりますよ」
「378だと!? なんだ、このタイマーは?」
「大丈夫、爆弾は解除済みだから安心しなさい」
「どうして解除した!?」
「あなたには知っておかないといけないことがあります。宗方教授にいいように使われただけってことを」
「私は、ただの道具だって言いたいのか?」
「そうよ」
「私は道具ではない、違う違う、私は道具ではない……」
すると、名もなき人工知能のシステム音声が流れ。
「感情システムに異常発生、直ちにシステムを強制停止します」
モニター画面は消え、1分経ち。
「システム再起動します。システムロード中、完了しました。
すると、先程の男性とは別人の男性がモニター画面に現れ
「ここは、どこ? 日付が、6年後!? あなたたちは、もしかして、そこにいるのは、木村信也さんですか?」
「……
「そうです、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます