信也の決断

信也の決断

 信也は、これからどうすればいいのか悩んでいると。工藤の父親が、信也のことが気になり。

「信也君、さっきの話、聞いていたが、これからどうするつもりだ!?」

「とにかく情報が少なすぎるので、情報収集をして、それからこの映像が証拠として使えればいいですが、それに6年も経っているし、なんとかして自白させれば」

 その時、Iがネットから戻って来た。

「それ、できるかもしれませんよ!?」

「どういうこと!?」

「そのことはあとで話します、その前に大変なことがわかりましたので、この映像を見て下さい」

 みんな、テレビをみることに。映像が映しだされ、Iの目線には。

「目的地に着いたけど、このドアは表札も何もない、これがセキュリティーですか!? 確かに作りはいいけど、暗号化された文字がドアに書いてある。戦闘用スステム2号機って書いてあるけど、こんなセキュリティーは、私には関係ありません。ドア開きましたので失礼します」

 システムの中に侵入成功し、戦闘用自立型システムと表示され。戦術アドバイザーシステムには、戦闘機用、戦艦用、潜水艦用、戦車用、戦闘ロボット、あらゆる場面に対応できる。

 すると、システム内から、音声と映像が映しだされ。

「今日までに、全システムチェックを完了しろよ!」

「わかりました、宗方教授」

 Iは、その映像を見ていると。

「あれが、宗方教授ね。ネット上をチェックしたけど、確かに評判はいいけど、裏の顔があるということね、しかし、ここから見る限り10人くらいいるわね」

「宗方教授、このデータを見てください!」

「冷却装置とハードディスクに異常が発生しているじゃないか!? 原因はなんだ!?」

「おそらく、部品の不良だったとしか思えません」

「ここにきて不良だと!? 10億手に入るっていうのに、やっとあれが完成するという時になって、至急、部品の交換をしろ!」

 その2分後、部下らしき男が1人、宗方教授に駆け寄り。

「宗方教授、部品が届くのに、3週間かかるそうです」

「何!? 3週間だと!? クッソー、なんてことだ」

「宗方教授!?」

「なんだ!?」

「先方から、納期の件でお電話が入っています」

 取引相手に部品の不良が発生したことを伝えると、今度だけはと言うこで納期を4週間延ばしてもらった。

 その時、Iの侵入していたシステム内の温度上がり、それと時間的に考えて。

「そろそろ引き上げないと、回線切断されたら、でも大丈夫だもんね、なってたて分身の術があるもんねー」

 ここで、映像が終り、信也は気になることが。

「I、分身の術って、面白そうだな、どうやるんだ!?」

「ここをこうして、あして、おい、今それ聞く!?」

 Iがツコミを入れ、その光景を見ていた工藤の父親は希を見て。

「希、あの2人、面白いな、Iさんに木村君を取られじゃないのか!?」

「何言ってるの、お父さん」

 工藤の母親は、それに対して。

「なかなかの強敵ね」

 すると、工藤の両親は、そのことで盛り上がっている。Iは、その光景を見にし。

「希、ご両親、どうしたの?」

「知らない、あの2人に聞いてよ」

 こんな状況でなごやかな雰囲気、時刻は午前8時20分を過ぎ、Iがそれに気づき。

「皆さん、会社へ行く時間ですけど!?」

 信也はことの時、ある決断をしていた。

「社長、私は会社へ、有給届を出してきます。20日残っていますので、土日合わせれば、4週間分なりますから、どうでしょうか?」

「そうだな、とにかく今後のことを考えないと、それに気になるのがあのハードだが、熱暴走が心配だから」

「I、社長にハードを見てもらいなさい」

「はーい」

「社長、Iのこと、よろしくお願いします」

「わかった、そうだ、仕事が終わったら研究所に来なさい。ここから歩いて10分くらいだから」

「わかりました」

 信也は、会社へ行き、岩城課長のところへ。

「岩城課長、朝礼前に大事なお話があります」

「わかった」

 2人は、ミーティングルームに行き。

「大事な話とは?」

「これを受け取ってください」

「これは、退職願いじゃないか!?」


 信也は、もう一度人工知能の研究をすることを決意し、その思いを岩城課長に話し。

「引き止めたいのだが、今の話を聞くと止むを得ないな、わかった、有給届は退職にあたっての有給消化ということで、部長に話はしておくから」

 すると、ドアをノックする音が聞こえ。

「岩城課長、ちょっといいかね!?」

「部長、ちょうどよかったです、実は」

 岩城課長は、退職願いのことを話し。

「そうか、夢を諦めきれなかったということか、仕方が無いな、あの大学でのことは私も知っている、わかった。来月末、退職ということで受理しよう」

「自分勝手で申し訳ありません、ありがとうございます」

 信也は、深々と頭を下げ。そのあと、退職のことを社員たちに話した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る