第33話

 クラウディの一撃を貰い、海に沈む男。

すかさず水上スキーを奪う。


(これで、近づく敵に反撃できる)


 後から続く水上スキーの敵。

しかし、上手く波に隠れ、そこから突然現れるクラウディの攻撃に対処することが出来ず、追っ手を次々に撃破。


「行ける!」


 その様子を見て、さーてぃーんが勝利を確信した。

その時だった。

1台の水上スキーが颯爽と現れた。

赤いドレスをなびかせ、手にはマシンガン。

教師の管である。


「あんたら、逃げ切れると思ったら大間違いよ!」


「ボスのご登場か。 だが、精々中ボスだがな」


 さーてぃーんが呟く。

管に気が付いたクラウディが反転し、水上スキーで背後から迫る。


「食らえっ!」


 剣を振り上げるクラウディ。


「レディを後ろから襲うなんて、マナー違反ね」


 ノールックで前を向いたまま、銃を後ろに向け後方のクラウディに引き金を弾いた。

無数の弾丸がクラウディの体を貫く。


「うぐっ……」


 口から血を吐き出す音だけがし、クラウディは海の中へと消えた。

サニー、ティファール、さーてぃーんが唖然とする。


「まず1人!」


 管は容赦なく、前方の3人に向けて銃を無造作に乱射。

クラウディがやられたことに動揺し、動けなくなった彼らに弾丸が命中した。


「うそ…… がふっ」


 サニーが海中に落ちる。


「そん…… な……」


 ティファールもそれに続く。


「ウオ~~ン」


 管に飛びかかるも、喉笛に噛みつくより先に、喉の奥に銃口を押しこめられる。


「さようなら」


 ガアン、という弾を弾く音が一瞬し、さーてぃーんは力なく海に飲まれた。


「フン、これで終りね。 ……呆気ないこと」


 管の目の前には、誰も乗っていないボートが虚しく海上を漂っていた。







終わり

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