第19話
緊急記者会見が行われることとなり、都内の「溜池山王」にある国会議事堂の会場に新聞記者らが集まった。
しばらくして、カメラのフラッシュが一斉にたかれる。
現れたのは、日本の現首相、安部四蔵である。
「皆様、お集まり頂きありがとうございます」
新聞記者の前で、手にした原稿を読み上げる。
「えー、突然ですが、センター試験ブレイカーのネタバレが手に入った為、この場でご報告致します」
会場がざわめく。
「ネタバレ禁止でしょ!」
新聞記者の1人が言うも、そんなものはお構いなしにと、首相は話を進める。
「えー、永久機関大学の入館証を手に入れたクラウディとサニー、2人はテストの答案を手に入れるため、永久機関大学のパーティー会場へと乗り込みます。 ところが、クラウディの連れてきたパーティーのパートナーはメンヘラ気質の猟奇的彼女! 前日に彼女のことをブサイクと罵ったサニーは彼女に殺されてしまいます。 さあ、どうなるセンター試験ブレイカー第18話(だっけ?) 乞うご期待!」
首相が卓から離れると、目がくらむほどのフラッシュを背に受ける。
「総理、それが本当のネタバレだという証拠はあるのですか!?」
新聞記者が叫ぶ。
質問には答えず、首相は扉の向こうへと消えた。
ハイエース(車)に乗り込み、キョージュの運転でクラウディとサニー、宇宙服姿の桜子とティファールの計5人は、とある場所へと向かっていた。
緊急記者会見をラジオで聞いていたキョージュは、チャンネルをAMからFMに切り替えた。
「しょーもないウソバレだったな。 何かノリの良い曲でも聞こう」
ラジオからは、星○源の「家で歌おう」が流れる。
しばらく聞いていたサニーは首を傾げた。
「全然、ノれねぇよ」
何もないよりいいと、キョージュはこれから始まるミッションの概要説明を始めた。
「今から向かうのは、エターナルシップと呼ばれる豪華客船。 そこで今夜、センター試験の問題の完成を祝うパーティーが行われる。 この会場には、センター試験の答案作成に携わった永久機関大学の先生が集まるが……」
良く聞け、とキョージュがミラーごしにみなに語りかける。
「先生らは、センター試験の問題の入ったUSBを手にし、今日、船に乗り込んでいる。 諸君らは、USBを手にする先生と対決し、データを手に入れて貰う」
キョージュは、それらは国語、数学、英語、科学、社会の5つに分けられていると補足した。
ハイエースは、いよいよ船の停泊している海岸へと乗り入れた。
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