第15話

 永久機関大学の入館証を手に入れたサニーとクラウディ。

正直、サニーが永久機関大学の入館証を手に入れたことに納得が行かなかったが、キョージュが話を進めた。


「永久機関大学には、センター試験の問題が完成した後に行われる打ち上げパーティーがある。 君らにはそれに参加してもらうことになるが…… クラウディ」


「……はい?」


「何故、パートナーを連れていない」


 一瞬、頭に「?」が浮かんだが、クラウディはサニーのどや顔を見て理解した。

つまり、パーティーに参加するにはアメリカのプロムナードの様に、パートナーを見つけなければならないのだ。

入館証とパートナー、この二つが揃わなければ大学には潜入出来ない。


「ちょっと待って下さい! 俺、聞いてな……」


「言い訳は聞きたくありませんよ。 現にサニーはティファールを連れてきたのだ」


「へへん」


 鼻の下に人差し指を当てて得意げなサニー。


「……分かりましたよ」


 クラウディは扉を乱暴に閉め、ある所へと向かった。









(ざけんなよ、クソッ)


 エレベーターで毒づきながら、クラウディは小森のいた研究室へとやって来た。

小森はロボットだったが、人間と間違える程、精巧に作られている。


(まあ、見た目は宇宙服だけどな)


 研究室のドアノブを手にかけ中に入ると、その部屋の先生は奥の自室に篭もっているらしい。

クラウディは、気付かれないようそっと扉を閉め、天井を見渡した。

クラウディの考えでは、小森を遠隔操作している泥棒みたいなヒゲのオヤジが近くにいる。

オヤジは木の裏から小森をリモコンで操作し、その距離はかなり近かった。


(半径100メートル位か……)


 そうなると、隣の部屋、天井の裏が考えられる。


(オヤジの隠れ家を突き止めて、もう一度、小森を作らせる)


 クラウディは、周囲に物が置かれていない登り易そうな点検口に当たりを付けた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る