第14話
(永久機関大学…… そうか、こいつがあれば潜入できる)
永久機関大学とは、通称「永大」と呼ばれる日本最高峰の大学で、毎年センター試験の問題はここで作成される。
作成された問題のデータはセンター試験の前日に、試験の実施される各大学にパソコンから転送される。
(エターナルブレーカーのエターナルは、永久機関大学の永久(エターナル)を意味してたってことか)
入館証をポケットにしまうと、クラウディはキョージュのいる研究室へと走り出した。
「キョージュ、手に入れた……」
バアン、と勢い良く扉を開けると、部屋にはキョージュ、サニー、そして、見知らぬ女性がもう一人いた。
スレンダーな体系をし、黒い髪を肩までなびかせている。
「あ、初めまして!」
その女性はクラウディに向き直り、おじきをした。
振り向いたその顔は、かなりカワイイ部類に入ると思われる。
クラウディがドキマギしていると、サニーが説明した。
「釣りに行ったらよォ、違うもんが釣れちまった」
「……どーゆーことだよ」
サニーは昨日の出来事を話し始めた。
釣り竿のエターナルブレーカーを試す為、とある湖畔までやって来ていたが、その湖畔は池の表面が凍り付いた。
(何だよ、氷に穴開けねーとダメか)
そう思って、仕方なく穴を開け、折り畳みの倚子に腰掛けて針を垂らしていた所、彼女が現れたらしい。
「ワカサギ、釣れますか~?」
同じく釣りに来ていた彼女がサニーに近づいた瞬間、氷が割れて二人は池に落ちた、とのことだ。
サニーがクラウディに小声で耳打ちしてくる。
「めちゃくちゃカワイイだろ。 結果オーライだよな」
「……」
何でこいつだけ美味しい思いしてんだ! と、またしても腸が煮えくりかえりそうになったが、ぐっ、と堪える。
彼女は、自分もこの作戦に参加したいと言い、キョージュはそれを許可した。
「では、君のコードネームは、ティファールだ」
「え、湯沸ポットですか? やった!」
こうして、何故か湯沸ポットの名前を手に入れ喜ぶティファールが仲間になった。
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