第2話
「おまたー」
クラウディが長いトイレ(大)から戻り、改めて、米軍基地潜入作戦の最終確認に入る。
キョージュが予め準備していた基地内の図面を広げ、後部座席の2人に見せる。
図面にはざっくり丸が描かれ、その中心に、きち、と平仮名で書かれている。
クラウディが内心毒づいた。
(……この図面いる!?!?)
「さて、まずメインゲートから内部に入ることになるが、第一関門、警備だ。 さて、何をしに来たと答えれば良いかな、サニー」
でかい図体のサニーが咳払いをして答える。
「オホン。 ……エアコンの修理に来たんだが、入ってもいいか?」
その答えを聞き、クラウディが疑問を口にする。
「いや、まてよ。 冷蔵庫の修理だろ?」
「冷蔵庫じゃダメだろ。 俺らはあくまで武器庫に行かなきゃなんねぇ。 武器庫に冷蔵庫があると思うか?」
「……そういうことか」
恐らく、建物内のほとんどの部屋にはエアコンが設置されている。
人が滞在することのない倉庫にエアコンが備え付けられているかは疑問だが、銃火器のような細かいパーツで構成された武器類は、気温差で伸縮し、性能を十分発揮出来ない場合がある。
その為、空調の管理は必須と言えよう。
後部座席で作業着に着替えた二人は車から降り、ハッチから工具と脚立、冷媒の入ったガスの缶を下ろす。
ガス缶はサニーの手のひらに食い込み、重量は10キロといった所か。
「脚立は俺が持つわ」
クラウディが180センチの脚立を肩に担ぎ、サニーが工具一式とガス缶を両手に持つ。
信号を渡り、サニーを先頭にゲートへと向かうと、警備員に声を掛けた。
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