第2話

「んー、話だけなら聞くよ、何?」


「ありがとう。

今帝国内で、ある病気が蔓延しているんだ

どんな薬も効かず少しすると魔物になって人間を食べてしまうんだ。

貴方達なら治せると聞いたんだ

だから、頼む!力を貸してほしい!!」


ローブはまた土下座して頼むから

やってあげようかと思うんだけど…ね


「あんな風にー?」


サタン君が指差した方を見ると

さっきまで偉そうにしてた奴が騎士食べてたお


「な!?初期症状は出ていなかったのに!!」


「これさー、ただの成り代わりじゃん」


「成り代わり?」


「食べた奴の記憶、姿を覚えてソイツに成りきる

そうして、また次の獲物を食べる

そういう魔物いるんだよねぇ

まぁ、ソイツらは女王を殺せば後は楽だ」


「あー!思い出した!

でも、擬態してるし、巣も人間には中々見つからないから

国とか潰すのには楽なんだよねぇー」


ほぅほぅ

アリみたいな感じなのかね


「それは、どうやって見つければよいのだ…?」


何かこの人凄く必死だけど

国が原因じゃないと思うんだけどなぁ


「探索魔法を極めてやっと見れるだろうな

その前に滅びているだろうが」


「まぁ、まだ印をつけられて倒れて暴れるぐらいならまだ人間に戻れるけど

食べられるのも時間の問題かなぁ?」


え?お偉いさん?

スイ達が食べてますから大丈夫です


キサラはスイ達の方に居ますしねっ!


「しらべるの面倒だから色々詳しく!」


中途半端に聞くと気になるじゃん!


「名前は寄生蟻だ

人間の体に、噛み跡を残しそこから

菌を入れる、その時に激痛がはしる

そして、ソイツらは自分達が印を残した奴等の記憶、姿を喰うんだ

思考も喰った後は、空っぽな体に入り次の獲物を探す。

次の獲物が見つかればその体は女王に献上されるんだよ

だから、女王は食べた奴の姿にかわれる。

殺されそうになれば、喰った中にソイツの愛しい奴が居ればソイツになり

命乞いをして、油断した隙に食べる。

簡単に説明すればこういう事だ」


「ふぅん、その蟻ってこれ?」


ピンセットでつまんだ蟻を見せる。

いや、何か噛まれそうだったから、ローブ君


「んー、あ!これこれ!

多分アイツの仲間か、もしくは殺される前に出てきたんだねぇ」


「出てきても魔物化は変わらないんだなぁ」


「まぁな、そういう菌も入ってるらしい」


蟻とか、気付く人少ないよね。服越しだと特に。

俺も昔花壇に座ってたら視界の端で服が蠢いてたからなんだ?と思ったら服に蟻が沢山登ってたよね。黒い服だから全く気づかなかったもん。


「頼む!!助けてくれ!!」


また土下座をするローブ


「君国の為だけじゃないでしょ?」


「ッ!…妹が…昨日倒れて暴れ始めたんだ」


フードを取り泣き顔を見せた


「すまない、自己紹介が遅れた

マーガリン帝国の全帝をやってるシスイだ」


「3日目で手遅れだねぇー」


「むー、余り気がのらないなぁ…子供達!集合!!」


「セン兄ちゃん!どうしたの?」


ローブはキョロキョロして変質者だ、うん


「子供達、お面を外して。これを引きたまえ」


お面を外したから突然現れた子供達に驚く全帝


「僕が王様!!」


「よし!王様の言う事はー?」


「「「「ぜったーーーい!!」」」」


「という事で、王様はどうしたい?」


「僕は、マーガリン帝国に行ってみたい!

ダメ…かな?」


コテンと首を傾げながら上目遣いするオミ


「お前かわいいな、このやろ!」


頭をワシワシ撫でられとても嬉しそうにはにかむオミ


「それじゃあ、行きますか!」


「その前に此処に来た用事済まさないと」


「な、なんだっけ…」


「土地買いに来たんだろ」


「…!あ!ジン!街に宿を出すんだけど土地ない!?」


「あー、んー、ある!

曰くつきだけど!!」


「買ったーーー!!」


「これ、土地の権利書ね」


権利書を貰い扉をくぐってルキさん達のもとへ





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