第12話
ガチャ
「ただいま」
「おかえりー!」
「これはどういう状況だ?」
未だ睨み合う子供達を見てビル君は首を傾げた
俺が説明すると
「証拠とはいうが、何を出しても
此奴らに信じる気が無ければ無駄だろ
お前達これからどうやって生きてくんだ?
お前らが働いて稼げる金では生活は出来ん
ギルドで稼ぐにしても報酬が高いものをお前らは出来んだろう
千も俺達も王族の手の者じゃないからな
お前達を縛るつもりも、もうとうない
それで、これから先どうするつもりなんだ?」
子供達に伝えると難しい顔をして考え込んだ
俺が引き取る事も出来るけど…残念、もう大家族です
というか、この子達の警戒のしようじゃ何処にも預けれないし
「別に君達だけでやってくって言うなら
俺はそれでもいいけどさぁ
ま、たまには大人を頼るのも大事だよ?まだ君達子供だし」
俺がそう言えばマオにピコピコハンマーで殴られた
「千も子供だろ!」
なんかムカッとしたから
プクッとほっぺ膨らましてそっぽを向いた
俺達の都合は、あいつらが居ると
祭りに行けないから、それだけだもんなー
祭り楽しみだったのに
「金はっ、ギルドで俺が稼ぐ!
此奴らを俺が食わしてくんだっ!」
「フッ、今のお前の力量じゃ精々Cが限界だな
報酬が高いものは全てランクが高い
ランクが違くても受けれる事もあるが
依頼失敗した挙句死んでみろ
此奴らに失敗したお金の請求が来る
それは他のランクでも同じ事だ」
ビル君が言えば拳を握り震えていた
だから、ランクわけされてるんだよね
自分の力量わからない人は沢山いるしなー
「じゃ、じゃあ、どうすればよかったんだ!
俺はコイツらを守らなくちゃいけないんだ!
幸せにしてやらない…いけ…ないんだよ…」
そう言って泣いた
「だから、その為にも頼りなよってビル君は言ってたんだよ
俺達は君達を拾ってあげられないけど
鍛えてあげることとか
住む場所をあげることとかは出来るからね
それで、改めて聞くけど、これからどうするの?」
俺が子供の目線にしゃがんで聞くと
「っっ!!
俺達に…力をっ貸して下さいっ…!」
「良くできました
紅達も、もう仲直り出来るよな?」
リーダーの子の頭を撫でながら聞くと
「にーに悪いひとじゃにゃいでしょ?」
俺に隠れながら聞いた
「っ、うんっ
さっきは…悪かった…」
「くれにゃいもごめんなしゃい。これでなかにゃおり!」
ペコッと頭を下げてリーダーの子の手を取って
タイチ達と遊び始めた。
子供の内はごめんなさいで仲直りできるのに大きくなればなる程仲直りが難しくなるのは…何でなんだろうな
「キサラまだかなー」
イチゴオレを飲みながらゴロゴロしてた
このうさまろクッション大好き
神様も駄目にするらしいけど、その気持ちわかるわぁ
「千、暇ならこれ踏んでてくれ」
渡されたのは良く分からん生地?
言われた通りふみふみ
「何に使うの?」
「うどんを作ろうと思ってな」
「卵とじうどんが良い!!」
卵とじうどん大好き
「そのつもりだったぞ
だから、ちゃんと踏んでくれ」
そう言われまたひたすらふみふみ
あー、何かトランポリンで飛び跳ねたい
生地踏み終わって漠然と思った
部屋の天井上げてー
マットの上にトランポリン置いてー
とりあえずエイヤッとマオを投げた
「うぉっ!?
お?何だこれ!楽しい!ほりゃあっ!」
マオ回転したりして楽しそう
ちゃんと台所には結界あるから衛生は大丈夫やな
「くれにゃいもー!」
「俺達に混ざると危ないから
紅達は此方に準備したトランポリン使おうな」
後ろの子供達もやりたそうにソワソワしてたからね
ポヨンポヨン跳ねて楽しそうでよかった
俺もさっそくマオと一緒に飛ぶ
「えいやっ!」
回転してからマオを蹴り飛ばす
「うおぇ!?あっぶねっ!このやろ!!」
子供達は微笑ましく遊んでいるのに
俺達の方は戦場になりました
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