第7話

「という事はだ、千が見られたのは

神の生まれ変わりで王族だと思われたからなのか?」


ビル君、お酒呑みすぎですよ!?樽何個開けてんの!?


「多分、そうだと思います

千さん王族の人なんですか?」


「いや、違うぞ?」


「な、なら良かったです

でも九尾がいるという事が王族にバレたら大変ですよ!」


安心した顔をしたかと思うとアワアワし始めるルキさん


「何でだ?」


「今の王族は、自分の私利私欲の為なら何でもするんです

ここら辺の人は高いお金を納めて危害を防いでいます。

僕達みたいに、経営をしてる人は権利書を奪われ

奴隷の様に働けば守ってやると言われました


実はこの店は、亡き妻と2人で作ったものなんです

だから、どうしても渡せなかった

そしたら、お客さんも来なくなり嫌がらせも受ける様になりました


息子のタイチも。周りから仲間はずれにされました。


初代国王は、千さんと同じ容姿なんです。

それに、カッコいいですから

千さんだけじゃなく皆さんが危ないと思います…」


うげぇ、腐ってる


「何で俺達もなんだ?」


「王族の姫が、大の男好きでイケメンを見つけると、城に拉致するんです。

姫が飽きるまで監禁されてると聞きました帰ってこれたものは、皆五体満足で帰ってきませんでしたから」


「ねぇー何でそんなんが王族なのー?」


それだよな、ルキさんの口ぶりじゃ前の王が悪い人じゃないみたいだし


あ、紅に話聞かせたくないので

タイチとドラゴン達と防音結界に入れました

ついでに、色々玩具も渡したからか、何か楽しそうだ



「それが、最近まで九尾の方が出ていなかったんです

ですが、九尾の方が出るまで王が不在じゃ

国が回らないから、狐の獣人が王の代わりをやってました。それが先代国王です。


先代国王はとてもいい方で何よりも民の事を考えてくれていました。

そんな時突然外から九尾の方がお供を連れてきたんです。


俺達が戻って来たんだから王の座を譲り渡せと

言って無理矢理先代国王を引きずり落としました。

当初は。私達も抵抗しました。

税金も倍以上に上がって暮らしもキツくなりましたし…

ですが、九尾が連れてきたお供が

抵抗する者を次々と殺して見せしめにはりつけにしたりしました。


抵抗した人の家族から恋人まで大切な人は全員殺されました。

それから皆抵抗を諦めました。

夕方に来た人は王族のお供の部下だと言ってました


先代国王と一緒に抵抗する騎士達も何処かへ幽閉されてると聞きました。

だから、そんな所に初代国王と同じ風貌な九尾がいると王族の耳に入ったら危ないんです!」


「でも、あの感じじゃもう耳に入ってるよな?」


そりゃあ、そうか

マオ達と普通に屋台回ったしな


「あれ、これ、何か祭りいけない感じ!?」


俺の心配はそこです!地味に楽しみだったんですよ!?


「今日はやめといた方がいいかもしれません。

でも尾神祭りは、明後日までやってますから!」


落ち込む俺を必死に慰めてくれるルキさん



ドスッ


突然ビル君が持っていた箸を天井へ投げた


ドサッ


すると黒ずくめの男が落ちてきた。これ忍者っていう奴?


「これ誰?」


「わからんが、上でコソコソ動き回っていたから

敵だと思う」


その男をルキさんが見てまた目を見開いた


「こ!この格好はっ!?王族の暗殺部隊です!!

ヤバいですよ!千さん逃げてください!!」


俺にしがみついて泣きそうなルキさん

というか、俺達が逃げてもルキさん達が危ないんじゃね?


「あっ、よしー!きーめた!

ルキさん、今から必需品持って此処を出ようか

あ、勿論この宿は守っとくから大丈夫だけど

一応もしもがあるかもしれないし

紅もタイチと離れたくなさそうだしね」


チラッと視線をタイチ達にうつして言った

タイチと紅はお互いを抱きしめあって寝てたんだよね

サタン君が移動させる為に離そうとしたけど

お互い力強く掴んでるしねー


「えぇ!?えと、持ってきます!!」


そう言ってバタバタ降りていくルキさんに

フェンに一応着いてってもらったから大丈夫だよな


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る