第2話

「よし、紅約束した事覚えてるな?」


「うんっ!ひちょりに、ならにゃい!

おててはなさにゃい!

ひちょりになったらシロとまってる!」


「はい、よろしい!」


俺が頭を撫でて褒めてると


「ねー。何処から行く?」


「先に宿取っとかねーと困るんじゃないか?」


「んー、なら先に宿探しかな

はい、くじ引いて当たり引いたらこの箱から何か取ってね」


俺はマオにカゴを渡して箱を持った


「くれにゃい!あたった!!」


ピョンピョン跳ねて大喜び。無言で写メっちゃったよね


「はい、ならこれ引いて」


「えーちょ。んー、これ!」


そう言って引いたのは黄金ボール


「わぁ、まさか黄金ボールが此処で出るとは予想外だ…」


「これ何なのー?」


「黄金ボールの場合は、その街で一番人が少ない所に行きますー!

他にもプラチナボールとかもあるおっお」


俺達は街を歩いて一番人が少ない宿を探した


「んー、此処が一番だよねー?」


サタン君が指さしたのは

少ない所か、お客さんが1人もいないこじんまりとした宿


「此処だね、入ろっか」


宿の立て付けなのか扉かたかったけど、どうにか開けて中に入った


「すみませーーーん」


チリリリリリリ


呼んでも誰もこなかったから、鈴を鳴らすと


ドタドタドタドタと上から足音がして

紅より少し大きいぐらいの猫耳付けた男の子が降りてきた


「君此処の子?」


俺達を見て固まる男の子に聞くと


「お客さん?」


「んー、そうだねぇー」


その言葉を聞いてピクッと耳が動いたかと思うと



「父ちゃん!!!お客さんだよぉおおおお!!」



大声で叫んだ

紅に至っては驚きすぎて飛び上がってた、うん、可愛い


「な、なんだと!?」


何処からか猫耳付けた男が現れた


「お、お客さんですか?」


恐る恐る聞かれ頷くと2人でガッツポーズ

何なんだろ?

もう頭の中ハテナでいっぱいだよ


「えっと、皆さんご一緒に泊まりますか?」


「あ、出来るならお願いします」


すると男の子がお父さんに近づき


「父ちゃん、自己紹介っ!

後いつまで泊まるのかと飯どうするのか聞かなきゃっ!」


お父さんに耳打ちしていた

意外としっかりものなのか?



「えっあっ!

えっと、サンマへ来ていただきありがとうございます

俺は此処を経営する、ルキと言いますっ!

こっちは、息子のタイチです!

いつまでお泊りになられますか?」


タイチ君は自分の名前を呼ばれた時に、ペコリとお辞儀してた


「んー、いつまでとか全く決めてないんで

取り敢えず一週間で」


「あっ!わかりましたっ!

後ご飯はどうしますか?」


「ご飯どうする?」


「此処は主夫のビルさんに任せよー!」


サタン君がそう言うと


「じゃあ、朝と夜お願いします

昼は出掛けがてら外で食べるんで」


「あっ!わかりましたっ!

えっと、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」


「俺が神崎 千で

右から神崎 紅、神崎 サタン、神崎キサラ

神崎 ビル、神崎 マオ

それから頭の上に居るのが 神崎 フェン

紅が抱いてるのが神崎 シロ

籠の中に居るのが

サンダードラゴンのキィとサン

レッドドラゴンの赤とレン

アースドラゴンのスイです」


ルキさんは頑張ってメモってたよね、うん


「タイチ君と、紅は同じくらいの歳だから

良かったら仲良くしてあげてな」


俺がタイチ君に頼むと


「ぼく、くれにゃい

タイしゃん。おねしゃい!」


ペコリと頭を下げると


「こちらこそ」


そう言って手を繋いでいた


「タイチ、お父さん部屋に案内してくるね」


「ん、わかった」


タイチ君は、何処かへ走って行った



階段を上って廊下を歩いていると

突然ルキさんに話しかけられた


「さっきはありがとうございます」


「え?俺何かしましたっけ?」


全く心当たりがない俺は首をかしげていた

そんな俺の真似をして紅もかしげてた


「タイチの事です

タイチは、友達が居ないのでさっきは喜んでましたから」


「いえいえ、紅も歳が近い友達は初めてなんですよ

だから、お礼なんかやめてください」


「いえ、ありがとうございます

此方がお部屋になります

何かあれば鈴を鳴らしてくだされば来ますので

失礼します」


扉を閉めてルキさんは去っていった





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