第7話
「薬出来たよ!」
最高神からバケツを受け取り皆に少しずつ咽ないように流し込んでいく
「これで、眼が覚めるんだよな…?」
「うん、これからが正念場だよ
千君は僕と一緒に夢の中に行くよ
そこに、犯人はいるからね
その間サタン君とキサラ君とドラゴン君達は
皆の体から出た物を退治して欲しい」
最高神の言葉を聞き俺は皆に微笑んだ
「皆頼むな、俺皆助けてくるから」
「此処は任せるでしっ!」
「頑張って来い!」
キイ達も手を振ってくれた
「それじゃあ、魔法陣消すからね
それを合図に夢に入るよ!」
「よし、おっけー!」
軽く体を伸ばして俺は最高神を見た
パチンッ
最高神が指を鳴らすと
バキンッ
その音を聞き俺は皆の夢に入った
「っ!此処は俺が見た夢のみんなが殺されてた場所か?」
バッと立って辺りを見渡すと最高神に頭を抑えつけられた。
「千君、隠れてっ!
僕達の存在が今バレるとダメだ」
岩の陰に連れてかれた
「なら、どうするんだ?」
すぅっと息を吸って深呼吸をして最高神を見れば俺から手を離した
「もう皆は確保して隠してある
その間に僕が作った人形がどれだけ持つかわからないけれど…
僕と千君の力を合わせてこの世界の何処かにある箱を探すんだ
それを見つけたらその箱に力を注ぐ
そうすれば箱は壊れるから
これは息が合わないと上手くいかないからね、大丈夫?」
「あぁ、やろう」
俺と最高神は手を繋いで目を瞑り神経を集中させた
自分の周りから少しずつエリアを広げていく
バレないように少しずつ。
俺達から東に3キロ離れた所に埋められた箱を見つけた
俺は最高神の手を強く三回握り合図を出した
すると、俺のエリアをどんどん最高神が侵蝕して溶け合ったのを確認してから
箱に意識を集中させ思いっきり力を注ぎ込む
1分してやっとヒビが入りドンドン力を込めた
もっと!もっともっと!
俺が力をどんどん入れていき
最高神は俺の力を包み込み周りに漏れないようサポートしつつ力を込めた
バキンッ
箱がやっと粉々に砕け散って閉じていた目を開け息を吐いた
「…ハァハァ」
すると、何処からか悲痛な悲鳴が聞こえた
「何の声だ!?」
「千君行こう、君に謝らなきゃいけない事があるんだ」
慌てる俺の手を引いて悲鳴の元まで最高神は連れて行った
そこには夢では口だけしか見えなかった奴が悲鳴をあげのたうち回っていた
そいつは…最高神に瓜二つだった
「ごめんなさい」
俺に頭を下げて哀しげに俺を見た
「全部僕のせいなんだ」
そう言って最高神は語った
自分の過去を。
千君に力を与え過ぎたせいか
千君はとても中途半端な存在になった
神でもない、人間でもない。だけど、神になろうと思えばなれる。
彼の力なら世界も作れるだろう。
そんな千君を羨み嫉妬し憎悪した。それが僕の双子の弟の世界神。
弟は、僕を好きで好きで
僕の力も持っている千君に憎悪した
自分は持ってない力に嫉妬した
千君が楽しそうに生きてるのを見て羨んだ
僕と弟は自分の人生を決める事なんて出来なかったから
生まれ出た時から僕は最高神に
弟は世界神になることが決まってた
弟が、誰かを傷つけてしまうから
誰かと深く関わる事もしてこなかった
千君の事もバレないはずだった。
だけど、弟は気づいてしまった
何かが起こる前に止めようと思ったんだ
だけど、もう遅くてサタン君しか助けれなかったっ
弟は、自分の部下を生贄にこの呪いを作った
そして他の神も食べたんだ
もう僕とした約束すら覚えてない
あの箱は、弟が此処に存在する為の箱なんだ
だから、もうすぐ此処から消えて現実に出てくるよ
そしたら、僕が弟を消すから。
ゴメンね
千君の家族を傷つけてゴメンね
え?弟とした約束?
ずっと一緒にいようね
でも、誰かを傷つけたりしないでね
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