第8話
「ギル先生、これ見える?」
俺はさっきサタン君が作ったウォーターボールを作り出した
「あー、見えるけどどうかしたのか?」
「この人これ見えてないんだよねー
これが鼻と口を塞いでたのに止めもせず見てたから
俺がサタン君の為に止めたら怒られた、今ここ」
「これが見えないってほんとうですか?」
ギル先生が難しい顔をして女教師に問いかけた
「み、見えてますよ!!!!」
「それじゃあ、何属性のどういう形してるかもわかりますよね」
「っ!」
見えてない女教師は、口を噛み締め下を向いた
「これ校長に伝えますんで」
「それはっ、やめてください!!!」
急に泣いたマネをしてギル先生に縋り付いた
女の武器、という奴か…
ギル先生は鬱陶しそうに
女の先生を離そうとした時、突然勇者が割り入ってきて
「何で女の人を泣かせてるんだ!!!
謝ってるじゃないか!!!
先生!大丈夫ですか?」
そう言って俺達に怒鳴り女教師を慰める
「ギル先生、校長召喚していい?」
「今回は許す」
「おいっ!!聞いてるのか!?」
勇者が面倒で面倒で…
後を校長に押し付けてしまおうと校長を強制転移させた
いや、だって俺達が何言っても話になんないじゃん?
「ふぇ!?あれ?何で私はここに?」
「校長先生!!
この人達寄ってたかって先生を虐めてたんです!!」
まるで小さい子が親にチクってる感じだよなぁ
「ギル先生どういう状況ですか?」
校長はわけがわからないと首を傾げていた
ギル先生が俺を見たから仕方なく俺が説明した
「校長、これ見えますよね?」
「えぇ、それぐらい見えなければ教師は務まりませんから」
あぁ、ギル先生が怒ってた意味が何となく掴めたかも
「これ、この人見えてないんですよ」
「えぇ!?ちょっと!それどういうことですか!!」
校長は、ギル先生の肩を揺さぶった
揺さぶる人間違えてませんかー!?
「それで、サタン君がちょっち怒って
これでそこに倒れてる生徒の口と鼻を塞いじゃったんですよね
その生徒が苦しみもがいていたのに気付かなかったんで
サタン君の為に俺が止めに入ったんですよ
そしたら何か怒られまして
そこにギル先生が来てこの件を校長に話すと言ったら嘘泣きして縋り付き始め
そこに勇者がいちゃもんをつけた、今ここですね」
俺は淡々と説明しながらサタン君の頭を撫でた
そんなしょんぼりしないでおくれ
すると、校長はプルプル震えたかと思うと
ツカツカと女教師の元まで歩き
バシンッ
思いっきりビンタをした。
勇者が何か言おうとしたから
持っていたウォーターボールを投げて口を塞いでおいた
「貴方の嘘のせいで危うく人が死ぬところでした
サタン君も悪いですが、それを止めて道を正すのが私達教師の役目なんです
貴方の私利私欲の為に生徒を犠牲にはできません。
荷物を持って直ぐ出て行ってください
元々、貴方の本職はギルドマスターですよね?
この件は、王にも報告させてもらいます。
今後一切この学園への立ち入りを禁じます」
校長は、そう言い胸ポケットから
紙を出して紙飛行機を折り飛ばした。
「千君、止めてくれてありがとう」
「その女教師の為でも
ましてや、そこで倒れてる女の為でもない
サタン君がここで人を殺したら
皆で此処に居られなくなる。
それに、サタン君は僕達に罪悪感を感じる
だから止めただけ」
「それでも、そのおかげであの女子生徒は生きています。
サタン君、人を殺せば君はその分もその人の人生を背負わなければいけなくなる。
それに、君の側には哀しんでくれる人が居るはずだよ
だから、もうこんなことがない事を僕は願ってるよ。」
校長はそう言って俺とサタン君の頭を撫でて戻って行った
校長の雰囲気好きなんだよねー
あたたかくてホワホワしてる
「おーい、お前ら今日の授業はここまでだ!
Aクラスは新しい教師が来るまでSクラスと合同授業を行う!
次の時間は、闘技場集合だからなー!」
ギル先生はそう言って転移して行った
俺はフェンに乗ったままサタン君とビル君の手を掴んでみんなの元へ戻った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます