第5話

「サタン様、ありがとうございます

大分マシになりました

あ!魔王様!何か門の前に子供が置かれてたんですけど!」


「はぁ?子供?

今から行くから先行っとけ」


マオがそう言うとバタバタ走って行った



皆で歩きながら…

というか、俺はフェンの背中に乗りながら門へ向かってる時

疑問をぶつけてみた


「何でさっきの奴はあんなに苦しそうだったんだ?」


「あ、あぁ、悪魔王と俺に魔王とフェンリルが

居るだけでも魔力密度は高いけどー

お前魔力無限だし、しかも抑えてないのが

少しずつ漏れてたからなぁ

普通の人間ならあの程度ですまねぇぞ」


「魔力ってどうやったら漏れないの?」


「自分の周りに膜の様なものを張るイメージだな」


「むむむむ、こんなん?」


こうギュギュッと濃縮して周りに固めるイメージでやってみた


「それなら、まだ人間も耐えられるな

後で、修行すっからなー?」


サタン君は俺のブレスレットを掴んだと思うとまた一瞬光った


「おぉ、大分減ったな!」


「え?何が?どういう事?」


マオがこちらを見ていってきたが

俺理解できないYO


「ブレスレットにも魔力制御つけてんだよ

その容量増やしたー

これから子供の所行くんだもーん」


「ふぅうううううううん

よくわからんがまぁいいか!」


フェンに抱きついてモフモフしました

俺こっちに来て良かった。

幸せ、むふふふふはふ



子供がいるという門の前へ着くと


「ふぇええええええん」


そう泣く男の子と

宥めようと慌てる悪魔と魔物たち


何か凄くシュールだった


「あっ!魔王様!!」


先程来た男が此方へ寄ってきてマオに何やら耳打ちしてた


それにしても可愛いなこの子

そう思ってフェンに乗ったまま近づいた

気分はサ◯です、はい






一旦、フェンから降りると

フェンが寝そべったから子供を抱っこしてフェンにもたれた。


「ふぇっ?おにいしゃん、だぁれ?」


まだ半ベソかきながらキョトンと聞いてきた


「俺は千。

お前の名前は?」


「にゃまえ?」


何それ?と言いたげな顔しながら首をかしげていた


「あー、んー、周りは何て呼んでた?」


「えーちょね、まもーと、いみご?」


いみごって何!?


俺は顔に出ていたのか悪魔王が念話してきた


『忌み子っていうのは、不吉な存在と言われたり

悪魔とのハーフだったりして迫害する呼び名』


それを聞いて、あぁあっちにも同じ様な差別があったなぁ

世界が変われどそこは変わらないんだと思った


「よしっ!その呼び名は忘れようか

んー、綺麗な赤目だしなぁ

今日から、お前の名前は紅だ!」


「くれにゃいー?」


「おう!紅だぞー!」


そう言って頭を撫でてやれば


「えへへへ、くれにゃい」


とても嬉しそうに笑っていた


「よしっ!決めた!!

この子弟にするわ!!」


紅を抱っこしてそう言えば


「にーにーー!」


そう言って俺に抱きついてきた

あかん、かわいすぎる


サタン達が近づくと紅がプルプル震えて


「くれにゃい、おいしくにゃいよ?」


サタン達を見つめた


「大丈夫!サタン君達は紅の味方だからな!

食べたりはしないぞ!寧ろ仲良くしてくれる」


「にーに、ほんちょ?」


「おう!」


俺は紅を連れて元の部屋へ戻った




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