「雲散霧消な、夏」

書いて出した葉書の、ひとつ。

返事など来ないでしょう。

なんとなく解っている。

この、ご時世という名の有耶無耶。


どこにも進めなかった想いの種火を見失ってから久しい。

新しい面子が揃って、かつての皆は、遠い過去。

きみは、どう感じているのでしょう?

新天地でも、周りを魅了し楽しく日々を過ごしてますか?


きっと、もし逢えても同じ。

以前と変わらず、私は、きみには、うまく話せない。

ちぐはぐな遣り取りも、懐かしい。

次に逢っても、また、きっと同じ。


逢いたいなぁ、と呟くも。

身の廻りからいなくなった人。

想い続ける持久力。

あらまほしきものなりけり。

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