51話 過激すぎじゃありませんか?

 こんにちは、今日からテスト週間の青松です。

 僕は漢文の授業が大好きなのですが、最近気になっていることがあります。ぶっちゃけ……



 古代中国、ちょっと過激すぎじゃありませんか?



 てなわけで、この前の漢文の授業を僕の一人称視点で物語風に描こうと思います。僕の隣で一緒に(?)授業を聞いているつもりで少々お付き合いください。


 ***


「じゃあ授業やるよー、××頁開いて」


 眼鏡先生の指定した頁まで紙をぺらぺらと捲る。眼鏡先生、頭(切りに)行かれたらしい。新しい髪型いい感じ。あ、切ったのは頭じゃなくて髪か……。


 古典の教科書の左端に大きめに書かれたタイトル、『臥薪嘗胆がしんしょうたん』。あー、あれか、今回も古事成語の誕生秘話のパターンだ。


「王様だった親父が敵国に殺されて、恨みを忘れないため、夫差ふさは部屋を出入りする度に家来に『親父を殺された恨みを忘れたのか』と言わせて、毎日薪の上で寝てたんですねー」


 ん???先生今サラッと凄いこと言わなかったですか?


 え待ってめっちゃやだ。部屋出入りするたびに『親父の仇を忘れるな』とか言われてたら絶対鬱になるんだけど。まあいい、とりあえずまあいいか。


「ついに夫差は敵国越との戦に勝ち、句践こうせん(敵国の王様)を追い詰めます!句践には命乞いをされるけど、夫差の部下の子胥ししょは(復讐されるかもしれないから)殺せって言うんですねー。


 余談ですけど、昔の中国では殺すってなったら耳を削いだりみたいな痛いことしたりします」



 いや、古代中国こっっわ。僕生まれ変わっても古代中国はやめとこ。そう心に決めた。



「夫差は結局色々あって句践を逃しちゃうんですね。逃げ延びた句践は部屋に肝を吊るします。状況わかります?自分の部屋に、内臓引っかかってるんですよ??

 ネタバレなんですけど、句践がその後夫差を倒すのは20年くらい後のことなんです。さて」


 先生が教科書から目をあげてこちらを見る。


「句践が20年間内臓を部屋に吊るしている可能性が出てきました」



 ひいやあああああぁぁぁ


 悲鳴が出そうになるのを抑える。嫌だ、嫌すぎる。先生は、今僕27なので人生の半分以上

 肝を部屋に吊るしてたことになりますねなんて笑う。



「多分ちょっと時間が経ったら取り替えてたんでしょうね。そしてこれ何の肝なんでしょうね。しかも句践、毎日肝舐めて恨みを忘れないようにしてたんですよ。


 ガッツありますよね」



 いやガッツありますよねで済むか。お腹壊すわ。てか部屋臭そう……。恨み忘れないにしろもっといい方法は無かったんでしょうか。例えば、例えば……毎日熱湯風呂とか……(全く思いつかなかった)。


 その後、夫差の部下・子胥が夫差に悪口言ってた疑惑が浮上し、子胥は自殺に追い込まれます。子胥は死ぬ前に、



『俺の目玉を抉り抜いて東の門にかけておいてくれ、そこからうちの国が滅ぶのを見る』



 と家族に言うんですね。


 だから!いちいちやってることがグロテスクなの何でだよ!?なんでクラスのみんながそんな普通の顔して授業を聞いていられるのか、僕にはちょっとわからない。自分だけ動揺しまくっていました。


 先生曰くその他にも、目に矢が刺さって、矢を抜いたら眼球ごと取れてしまい、「親に貰ったものを捨てることはできぬ」みたいな感じで眼球を飲み込むっていう話があるらしいです。


 そう思うと蛇足の話、平和で楽しかったなぁなんて思います。話がグロくても、授業は楽しいのでいいのですが……。


 生まれ変わり先はできるだけ古代中国を避けようと思います。アメリカとかヨーロッパとかのイケメンに生まれ変わりたいです。外国の学校って、自由度も高い上ロングなバケーションがあるのでちょっと憧れます。


 話を戻しますが、うちの学校は変わった先生が多いようです。学校でモチつきしようとか言い出す先生もいたし、タイで死にそうになった話を楽しそうにけらけら笑いながら話す先生とかもいます。なんだか、僕の周りは総じてキャラが濃い気がします。


 長くなってしまったので今回はこのくらいにしておきますね。


 では、明日もテスト頑張りますんで、貴方もほどほどに頑張ってくださいね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る