18話目 蛇足

 どうも、世界史の授業中にザンジバル(英)をザンジバル(笑)と読み間違えた青松です。この教科書何巫山戯ふざけてるんだろって思ってよく見たら巫山戯てるのは自分の視力だったっていう……。


 ええ、本題いきましょうか。


 最近いつも、つい前振りが長くなってしまうものですから。


 今日古典の授業があったのですが、漢文の『蛇足』という話を読んだんです。簡単に説明しますと、蛇の速描きレースをみんなでして、1番のひとがお酒を呑める!ってことでみんなで蛇を描き始めるのですが、いっちゃん速く描いたひとが


「俺は蛇の足だって描けるんだぜ!」


 って蛇に足を描いてしまうのです。それで、蛇の足を描き終わる前に他の人が蛇を描き終わってしまい、さらに


「そんなん蛇じゃねぇよ」


 って言われ、酒も呑まれてしまうと……。平たく言えばそういう話でした。眼鏡先生は解説をしながら、黒板に蛇を描きます。彼はあまり絵が得意では無いらしいのですが、彼の蛇はなんとなく上手いというか……。でも何故か、黒板に白い線で描かれたその蛇はどう見てもコブラなのです。


 いや、中国の話やん?……青松渾身のツッコミ。


「蛇に足を描いてしまった人はきっと、やったぜお酒飲める!的な感じでめっちゃ嬉しかったんでしょうね」


 ひゃっふー!と喜びを演じながら、眼鏡先生は言います。そして、自身のコブラに足を描き足し、何故か足の生えたコブラの上に


『わーい!!』


 と書き加えます。


 その絵がとても面白い。コブラの足は直立でなく、まるで踊っているかのように跳ねていて、まるでコブラが楽しそうにしてるような絵が出来上がっていました。


 僕は普段、笑わないことはないのですが、あまり大笑いをする方ではありません。


 ですが、不覚にも、このコブラが面白すぎる。教室の片隅で口を抑えながらしばらく笑ってました。


 マジ笑いが止まらない。


 ツボに入ったというか、コブラそいつが視界に入るたびに笑いがこみあげてくる。なんだか3日分くらい笑った気がします。


 授業が終わり、よほど眼鏡先生のもとにノートを持っていって、


「さっきのコブラ描いてください」


 って頼みに行こうかと思ったのですが、一度も話したこと無いので泣く泣く断念。踊りコブラ欲しかった……。けど、さすがにほぼ初対面の人にコブラ描いてくれって言えるほど強メンタルじゃないのです……。


 コブラを見てけらけら笑う僕を見て友達はひとこと、


「青松くんのツボがわからん」


 ……あんなに面白いコブラなのに!?



 マジでこれ読んでる皆さんに見せてあげたいですあのコブラ……いえ、彼はコブラではなく蛇のつもりで描いたのでしょうけれど。


 コブラ、手に入れたら報告しますね。

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