出し物5 マジック かさぶた姉妹

 チャララ、ラララー。チャララララ、ラーララー。ラ、ラーラ、ラーラ、ラ-ラ、ラー。


「どーもー。かさぶた姉妹でーす」

「姉の傘子でーす」

「妹のビヨンセでーす」

「嘘つけ!」

「豚美でーす。姉が厳しくて、ここだけは、トリックが効かないんでーす」

「詰まらんこと、言うな!」

「今日は、みなさんにかさぶた姉妹から、究極マジックをお見せしたいと思います」

「なんと、世界で初めて、豚美が肛門から鼻血を出しまーす」

「どこが究極なんだ! どうやって証明するんだ? 何よりも何故、わたしなんだ!」

「またあ~。そんな事、言ってえ~。練習してきたでしょ~」

「そう言う事をここで言うな!」

「ここに取り出しましたるは、なんの変哲もない大人用紙おむつです」

「メンズ用だな?」

「じゃあ、豚美ちゃん。穿いてちょうだい」

「これでいいか?」

「はい、しっかり穿けましたねえ」

「ズボンの上からだけどな」

「じゃあ行きますよー。3・2・1、ハーイ!」

「ハーイ、って」

「じゃ、おむつを脱いでみてくださーい」

「え、マジで? 怖い……」

「じゃーん。おむつの中に鼻血が着いてましたー」

「嘘つけ! 『はまじ』じゃねえか、ちびまる子ちゃんの!」

「あれ?」

「あれ、じゃねえわ。ただのキャラクターおむつだろ!」

「じゃあ、次のマジックです」

「切り替え、えーな」

「次の世界初のマジックですが……」

「さっきのは決して、世界初じゃないけどな」

「なんと、世界で初めて、豚美が肛門からジャムを出しまーす」

「その肛門シリーズ、止めないか? 嫌な予感しかしないぞ」

「ここに取り出しましたるは、なんの変哲もない大人用紙おむつです」

「メンズ用だな?」

「じゃあ、豚美ちゃん。穿いてちょうだい」

「さっきと全く同じだな」

「はい、しっかり穿けましたねえ」

「ズボンの上からだけどな」

「じゃあ行きますよー。3・2・1、ハーイ!」

「嫌な予感しかしないぞ」

「じゃ、おむつを脱いでみてくださーい」

「え、マジで? 怖い……」

「じゃーん。おむつの中にジャムが着いてましたー」

「ジャムおじさん、な。やる前から皆、分かってたわ」

「じゃあ、次のマジックです」

「まだ、やんの?」

「ジャムおじさんで終われないでしょ!」

「むしろ、終わりたい」

「次は、世界で初めて、豚美が尿道から蜘蛛くもを出しまーす」

「もうやめてくれ、頼むから」

「ここに取り出しましたるは、なんの変哲もない大人用紙おむつでーすぅ」

「変哲しかないぞ!」

「じゃあ、豚美ちゃん。穿いてちょうだい」

「はいはい」

「しっかり穿けましたねえ」

「しっかり穿く必要あんのか?」

「じゃあ行きますよー。3・2・1、ハーイ!」

「もおおぉぉぉーーー」

「じゃ、おむつを脱いでみてくださーい」

「はあぁぁぁ……」

「じゃーん! おむつの中に蜘蛛くもが出ましたー」

尿道雲にょうどうぐもってか? バカヤロー!」

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