出し物4 漫才 血味泥ーず

馬路野まじのです。宇祖井うそいです。血味泥ちみどろーずです。よろしくお願いします」

馬路野まじのくん。俺、金持ちになりたいんだけど」

「ああ、そーなんだ」

「どうしたら金持ちになれるか考えてみたんだけど」

「ほー」

「手っ取り早いのは宝くじだよね」

「まず、当たらないけどな」

「当たるやつを買えばいいんだよ」

「どうやって?」

「年末ジャンボは当選番号を公開でルーレットを回して決めるよな」

「ああ、テレビで見たことある」

「あれに出たい!」

「希望かよ?」

「あのルーレットをコントロール出来ればこっちのもんだ」

「あそこに参加するのは難しいし、ルーレットを自分の都合に合わせるのはもっと難しいぞ」

「そんな貴方にこれ!」

「何だよ?」

「イカサマん」

「イカサマん?」

「そう。これをルーレットを回すお姉ちゃんに飲ませれば思う壺」

「どうやって、そんな薬を飲ませんだよ? そもそも、そんな薬を作れるなら、それを売ったら儲かるだろ!」

「バカだな。こんな薬が世の中に蔓延したら俺のうまみがなくなるだろ!」

「旨みの意味がよく分からんけどな。じゃあ、どうすんだよ?」

「俺が飲もう」

「お前が飲んでどうなるんだよ?」

「俺がルーレットを回す」

「もう、薬は関係ねえだろ!」

「じゃあ、宝くじはあきらめた。他の方法で金持ちになる」

「それがいいねえ」

「株を買うよ」

「株?」

「ああ」

「元手もないのに?」

「あぁ……」

「終わったな」

「俺に投資してくれ。倍にして返すから」

「詐欺の臭いしかしないぞ」

「俺がお前を騙した事なんてあったか?」

「常にだ!」

「いつ、なにで騙したって言うんだよ?」

「この間、宝くじ買うからって、3千円貸したよな」

「あぁ……」

「倍にして返す、て言ってたよな」

「あぁ……」

「返せ!」

「年末まで待ってくれ」

「バカヤロー! いい加減にしろ!」


「ありがとうございましたー」

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