第2話
《眩しい》というのは、存在感的なものもあるが、視覚的なものが大きかった。彼は制服のようなものを着て、見事な金髪で笑っているのだ。私は、今まで生きてきた中で、ここまで綺麗な金髪は初めて見た。
サラサラして、少しも痛んでいるように見えず、まったくプリンになっていない。よく見たら鼻も高く、目も青っぽい気がした。
「えー...前の学校では、服装は自由だったそうで、急な事だった事もあり、制服は準備する時間がなかったとの事だ。まぁ、もうすぐ夏休みなので、そのあいだに準備してもらう予定だ。」
みんなが驚いているのを察知してか、先生が説明を始めた。転校生...もとい、佐倉くんは少し恥ずかしそうに笑っている。
「ちなみに?頭髪のことだが、地毛とのことなので、許可している。はい!それじゃー、佐倉は...窓側の一番後ろ座ってくれ」
「はい」
(やっぱりかー!ベタな展開きた!)
私は心の中で叫んだ。
実は、朝、教室に入って自分の席まで来た時、昨日までは無かった隣の席を不思議に思っていたのだ。
(急に来た転校生、しかもイケメン、隣の席。なんだこれ、まるで漫画やアニメの世界だ。)
佐倉くんは皆んなの目線が恥ずかしいのか、少し足早で席に着いた。
横から見ても綺麗な顔だ。窓から入る光に、髪の毛がキラキラと光っている。
(この高校によくぞ来てくれたものだ。残り数ヶ月の高校生活、こんな綺麗な顔を毎日見れるなんて...ありがたや)
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