00 月丘の花嫁

 十年にたった一度、年明けから十回目の満月の夜。

 死者の魂は還り来る。

 愛しき人をいざなう為に。


 門をくぐり、森を抜け、町の明かりを目指して歩き。

 死者の魂は還り来る。

 そして夜明けと共にまた月丘の門をくぐり。

 死者の魂は、愛しき人を連れて行く。


 それは、十年間の罪のあがない。

 月丘の花嫁。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る