第2話 雄一と文香の記憶 その1
俺の名前は岡橋雄一。文香と同じ静岡の高校1年生。
今は別々の高校に通っているが、中学3年生の時に同じクラスだった。
彼女の第一印象。それは超・大人しいやつ、だ。
大人しいではない。超・おとなしいやつ!
彼女は正直にいえば、クラスで浮いていた。休憩時間もいつも隅っこで校庭を眺めているような女の子だった。
とはいえ、俺も人のことは言えない。
思い返せば俺も(谷川・城島も)クラスでもある種浮いた存在だったからだ。
気づいたら教室の前で谷川達を巻き込んで自作ダンスを踊り始めたり、夏休みの自由研究で谷川達と夏休み丸々使って『理想の女性』という題の女性を描き、一部の女子(いや、全員?)からドン引きされた事もある。
そんな俺が文香と話すようになったきっかけは修学旅行だった。
俺の班の男子面子は谷川・城島。クラスの女子はことごとく俺たちの班を避けた。
そして、一緒になったのが文香達だったってわけだ。
正直言って俺たちの出会いは最悪だった。
どうすんだ、最後の旅行なのにって思った。
でも、それは杞憂だった。
俺はその旅行で文香を好きになった。
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