第22話 好きだから、死なないでくれ
でも、無理だったから俺が言うんだ。
「ハナ、お願いだから、もう素直になってくれ……。ずっとずっと、愛を求めていたんだろ? 俺、ハナのことが一番好きで、絶対に裏切らないって誓うし、ハナのすべてを理解してあげられるし、ハナをいつだって癒すし、ハナは俺の人生において必要で、いなくなったら、俺、おかしくなるよ……?」
「!?」
「俺、ハナのこと、好きだから、大好きだから! 死なないでくれよ!!!」
「……!!」
柄にもなく、俺は子供のように泣いた。
「うっ、ううっ、お、俺、ハナが俺の拘束を喜んでるの、引いたりしないよ……? 俺、逆に嬉しいもん……」
「んん」
ハナはそう声で合図をして、それに反応して俺は下に向けていた顔を上げてハナの方に向いた。ハナは暴れていた時とはまるで別人のように冷静になって顔つきを変えていた。そして、こちらを真剣に見つめて拘束された両手と、足を動かしたので、俺はその拘束を解いて、口の布を外した。心の中でそう言っていたし。
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