第5話 誹謗1①

私のお兄ちゃんは、私を小さい頃から誹謗した。


最初は、「デブ」から始まった。


私は、ご飯を食べてお腹が満たされて幸せな気持ちになるのが好きだった。だから勉強を始める前とか、そういう気を引き締めなきゃいけないときに自分の好きなものを食べて、さぁ始めるぞ、頑張るぞって思うようにしていた。


けれど、最近気づいた。


自分は、ご飯が好きなんじゃなくて、ご飯を口に運んで食べる、という行為そのものが好きなんだと。だからいつの間にか私はご飯の味なんかどうでもよくなっていた。


さっき食べたばかりで、もうお腹いっぱいなのに、その行為がしたいがために、分かっているのに無理やり食べて苦しくなることが多々あった。


私は、そのことを、ちらっと家族の前で言ったことがあった。そしたら、その日からお兄ちゃんはわたしを「デブ」呼ばわりするようになった。


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