第9話 時代

夜半ばの紀行 夏の風の氾濫


全てが無に帰す 夜の暇


手繰り寄せた糸の先は 空の瓶


華やいだかつての記憶は 間違いだらけ


神も目を背ける 拙い童話


亀虫に会って 話を聞いた


まだ時代が移り変わることを 知らない人間が多すぎる


時代は変わる無常にも 既知のはずなのに


人間は過去の思い出が 足を引っ張る


それでは 永久に 動けないではないか

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