第5話 暴挙

諍いの花火

スリップする車

崖に落ちる前に

トランクの中に閉じ込めていた影が トランクから飛び出して

私の元にやってきた


影は何も言わず、車から私を出して、崖のへりに転がった


車は崖を滑り、ゴツゴツした岩肌にぶつかって爆発した


影は私を殴り こういった


これで目が覚めただろ

お前がやっていたことは 誰かの真似事なんでよ

似合わない車に乗ったから こんなことになったんだ


零れる涙が風に吹かれて 久々に風の味が 体の奥まで染み込んでいった

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