第3話 5月4日


あきらかに連絡する頻度を落としている。落としているぞ自分。

分からないですって言ったのは自分の癖に。

しかもちゃんと考えたいから離れないでいてくれますかって言った。

とてもずるい女である。


「これが偽善か」


今日のお供はアールグレイに温めたミルクをかけたミルクティ。

昨日と同じくすでに熱はなく冷めきっている。

今日は少し気温が落ち着いていたので窓は開けていない。

紅茶を飲むときは必ず白いティーカップがいい。

レモンティーでもミルクティでもなんでも白いカップ。

茶葉がどれくらい抽出されているかがすぐわかるのもあるし、

紅茶の渋みは日によって好みがあるから。


「今日は甘めの気分だったかな」


白いティーカップには柔らかな栗色の紅茶。

物事を考えるには自分を追い込むことになるから、甘めに、甘やかす。


どうしたいかは、もう、決まっているのかもしれない。

自分を愛してくれる人といた方が幸せに決まってる。

でも自分の心がまだ追い付いていない。


余談、私は去年の8月に大失恋をしている。

同棲していた彼から急に別れを告げられ、それから二ヵ月後、浮気だと知った。

身体が壊れ、心が壊れ・・・

自分は強い人間だと思っていた。

だからあまりに壊れるものが多くて恐怖を知った。

これ以上壊れるものは持っていないから、自分を守ることに必死なのである。


恋も、恋愛も、やめた。


私の物語のスタートがまさか恋路だとはね。笑える。

とにかくここまで来たのだから逃げるわけにはいかない。

携帯の向こう側にいる彼は冗談の返事を待っているだろうし

私はこうして紅茶を飲む余裕もある。

でも、連絡をする心がまだ、怖がっている。


こんな話を聞いたことがあるだろうか。

とても仲が良く信頼していた人から

異性としての好意を向けられた途端、無理になる。

『蛙化現象』というらしい。

自分はずっと前からこの現象がある。これも悩みの一つ。


私にはわかるが現在どんぴしゃで出現中というわけである。

こうなると焦って早く楽になりたいと思いがちだけれど

今回は相手も待つといってくれているのだから・・・

そこも、甘えよう。


紅茶もすっかりアイスミルクティになった。


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:25歳

:アルバイトをしながら気ままに地に足ついて生きている

:服、読書、映画、ゲーム、スポーツなんでも好き

:現在肌荒れ中

:毎日寝る前に何かを飲む、考える


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