2. シナリオ本編 -導入2
■導入2:待機中
PC全員が合流するシーンです。導入1とほぼ同時刻のシーンです。
最初はPC1以外全員登場で、途中からPC1も登場します。
▼描写:幽霊たちの待機時間
ここは、遺跡の中の一室だ。
そして君たちは、賑やかな妖精・カレンデュラに「PC1という人が、好きな人に告白できるように協力して!」と頼み込まれた幽霊御一行だ。
その際に君たちは、事前に、PC1のハンドアウトに載っている程度の情報は聞いている。
そして今は、カレンデュラが君たちをここに連れてきたっきり、「PC1を連れてくるからしばらくここで待ってて。お互い初対面も居るだろうから、仲良く自己紹介でもしてて!」と言って去ってしまったところだ。
しばらく時間もあるようだ。カレンデュラの言う通り、お互いに自己紹介でもしてみよう。
PC1以外の全員で、お互いに自己紹介をしてください。
キャラ立てのために、少し会話をしてみてもよいと思います。
話題がある程度落ち着いたら、GMは次の描写に移ります。
▼描写:魔法陣の不穏
カレンデュラは、なかなか帰ってこない。
そんな中、君たちは不意に異変を察した。
君たちがいるこの部屋には、君たちをこの場所まで転送してきた魔法陣があったのだが……その魔法陣が、突然光を失って沈黙してしまったのだ。
試しに上に載ってみても、うんともすんとも言わない。
●見識判定:目標値12
失敗した場合、「転移の魔法陣が動かない。つまり、遺跡の外に出られないのでは?」というところまではわかる。
成功した場合、以下の情報が丸ごとわかる。
〇転移の魔法陣について
これは、魔法文明時代に作られた転移の魔法陣だ。
「同じ魔法陣が書かれた2か所の間を転移できる」というシンプルな魔法陣だが、一つ欠点がある。片方の魔法陣が壊されてしまうと、両方の魔法陣が効力を失い、転移できなくなってしまうのだ。
どうやら、この魔法陣の対となる遺跡の外の魔法陣が、何らかの理由で壊されてしまったようだ。
遺跡の外で何が起こったのかも気になるが、今一番の懸念点は「PC全員、遺跡の外に出られなくなってしまったのでは?」ということである。大問題だ。
※PLには出さない情報ですが、これは「後半で出てくる蛮族たちが、遺跡内部からの冒険者達の干渉を恐れて、襲撃計画集合場所近くにあった転移の魔法陣を壊した」ため起こった現象です。
上記の処理が終わったら、カレンデュラとPC1が部屋に入ってきます。(全員合流)
▼描写:PC合流
「みんなー、PC1連れてきたよー! あっPC1、こっちは、PC1の告白に協力してくれる人たちだよ! みんな幽霊同士だから仲良くしてね!」
「……あれ、なんか変な雰囲気だけど、なんかあった?」
お互いざっくり自己紹介をしつつ、魔方陣に関する異変を共有してください。
(PC1が望めば、PC1もここで魔法陣に対する見識判定を行うことができます)
▼描写:カレンデュラからの情報
「えっ! 転移の魔法陣使えなくなっちゃったの!?」
カレンデュラは慌てて魔法陣に飛び乗り、跳んだり跳ねたりしたあと、「うわぁ…まじかー……」と頭を抱えます。
「うー。ということは、PC1がアポロさんに告白しにいくには、まずこの遺跡から脱出しなきゃってことだよねえ」
「一応、脱出自体はできるはずだよ。もともとPC1がこの遺跡のこんな奥で死んでたのは、PC1たちが冒険者として徒歩でここまで来てたからだし」
「……そういえば、PC1も、死ぬ前1時間くらいの記憶は飛んじゃってるはずだよね? 一応、『PC1がどういう状況で死んだのか』っていうのも説明しとこうか」
そういって、カレンデュラは以下の情報を話します。
○PC1の死の前後の経緯
・PC1は、アポロ、レウコトエと冒険者としてパーティを組み、とある蛮族退治を請け負っていた。
・依頼内容は「遺跡を出入りするレッドキャップ達を倒して欲しい」というシンプルなもので、君たちの実力なら楽々達成できるはずだった。
・蛮族退治の依頼は、アポロの故郷の小さな街から出されたもので、アポロは「この依頼が終わったら、家族にPC1とレウコトエを紹介したい。ついでに、ちょうど『星霊祭』というお祭りの時期だから、皆でお祭りを回ろう」と言っていた。
~ここまではPC1もぼんやり記憶があるが、これ以降は覚えていない~
・しかし、遺跡のレッドキャップを殲滅して一息ついた瞬間、突如遺跡の奥から現れた蛮族に不意をつかれた。PC1は、アポロを背後から襲う蛮族にいち早く気づき、反射的に庇ってしまった。そのまま、PC1は死亡。
・遺跡の奥から現れたのは、想定以上に強い蛮族だった。PC1がかばっていなかったらアポロの方が死んでいただろう。
・PC1死亡後、アポロとレウコトエは必死に応戦。かなりの激戦になったが、戦闘の衝撃に遺跡の方が耐えられず、途中で天井が崩壊。アポロとレウコトエはぎりぎり崩落を避け、瓦礫の間を縫って逃走。PC1の死体は瓦礫に押しつぶされ、PC1を殺した蛮族と、PC1を陰からこっそり見守っていたカレンデュラは、遺跡の奥に取り残された。蛮族はカレンデュラの存在に気が付かず、そのまま遺跡の奥の転移の魔法陣から外に脱出。その後その蛮族がどうしたかはわからない。
※ちなみに、カレンデュラがここまで詳しい状況を知っているのは、PC1の負けヒロインっぷりを観察するために、光妖精魔法で隠れながらずーっと近くで観察していたからです。ストーカーですね。
カレンデュラはそこまで話すと、以下のように付け足します。
▼描写:カレンデュラの補足
「PC1の死体が、崩落のせいで蘇生無理そうだなって感じになっちゃって、僕も泣いちゃったんだけど……突然、PC1の死体から、スーって霊体が出てきてさ。『これはゴーストってやつでは…?』って気づいて、この告白計画を思いついて、協力してくれそうな人たちを集めてきたってわけさ。幸い、その時は転移の魔法陣が動いてて、自由に出入りできたしね」
「とにかく、天井の崩落があったから、ここから先はかなり瓦礫で埋まっちゃってると思うんだ。ちょっと見に行ってみようか」
PCたちの反応も見つつ、カレンデュラが、PCたちを瓦礫のところまで誘導します。
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