1. シナリオ本編 -導入1

◇シナリオ本編◇


■導入1:目覚め

PC1と、カレンデュラ(NPC)のシーンから始まります。

他PCはまだ未登場です。


▼描写:PC1の目覚め

君は死んだ。冒険者として生きて、死んだ。蛮族に、首を掻き切られて死んだのだ。

……そのはずだが、何故か、死んだはずの君の耳元で、誰かがしきりに叫んでいる。

「ねえ、起きて。起きてよ、PC1!」

目を開けると、君の顔のすぐ近くで、見慣れない美少女…あるいは美少年が、ボロボロと泣きじゃくっていた。

その美少年or美少女は、君が目を覚ましたことに気がつくと、明らかに顔を輝かせる。

「やったー!!! やっぱりね! 僕のPC1は、こんなとこで成仏するタマじゃないと思ってたよ!」


PC1と妖精・カレンデュラで、一言二言会話をしてください。

その後、カレンデュラははっと気がついたように「あっ、ごめん。そういえば自己紹介まだだったね!! 僕、カレンデュラっていうんだけど……」と声を上げ、以下の情報を出してきます。


○カレンデュラについて

・カレンデュラは妖精だ。正確には、妖精の中でも特殊な「フィー」という種族らしい。

・フィーという種族は、「物語を集めること」を使命にしている。特にカレンデュラは「負けヒロイン」の物語が大好きで、絶対に『最高の負けヒロインの物語』をこの手で集めてやるんだ!と意気込んで旅をしていた。

・そんな中、想い人に心を寄せるPC1を見かけて、「これは最高の負けヒロインになるぞ」と確信。PC1の物語を最後まで見届けるぞ!と決意した。

・だが、PC1は死んでしまった。しかも、想い人に告白する前に。これでは、カレンデュラの求める『最高の負けヒロインの物語』は未完になってしまう。


そこまで説明した後、カレンデュラは、以下のように続けます。


▼描写:カレンデュラの提案

「これまで、ナレーターが物語に干渉しちゃダメだと思って、黙ってみてたけど……君が告白もせずに死んじゃってから、僕、すっごくすっごく後悔したんだ。もっとちゃんと君を守って、君が告白できるように導くべきだったって!」

「でも幸い、ちゃんと未練残って幽霊になってくれたみたいだし? せっかくだからこれから告白しに行きなよ!」

「僕も、今度こそ君の助けになるよう、君をサポートしてくれる仲間を募っておいたんだ。準備万端で、後は君が幽霊として目覚めてくれるだけって状況だったんだよ。ほんとに、目覚めてくれてよかった!」

「さあさあ、ちゃんと告白して、玉砕して、すっきり天に召されよー!!」


カレンデュラとPC1で会話をし、PC1が告白をする流れに誘導しましょう。

PC1が告白する決意をしたら、以下の描写に移ります。


▼描写:幽霊としての最初の一歩

「よかった! じゃ、皆が居るところに案内するね!」

カレンデュラはPC1の手を引こうとするが、幽霊であるPC1の身体には触れることが出来ず、すり抜けてしまう。

カレンデュラは一瞬目を見開いて「あっ…」とつぶやくが、気を取り直したようにぱっと笑みを浮かべ、両手を広げた。

「こっちだよ、一緒に行こう!」

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