第6話

 あんなにボサボサだった髪も、かなり短くはあるがとても綺麗にしてもらえた。セラは背が高く、比較的スラっとしているので、ぱっと見では男の子に見えるかもしれない。



(すれ違う女の子の視線を感じる。うん。これはこれでいいな...)



 家まで、そんなに離れていないようだったので、私たちは歩いて帰ることにした。ウインタは体調を考え、乗り物に乗って欲しかったようだが、街の様子が見たかったので断った。

 





「長い髪のときも、もちろん可愛らしかったですが、短い髪も新鮮でいいですね。とてもお似合いです。」


「そうかな?」



「ええ!それと、ドクターが仰っていましたが、来週からはスクールにも行けるようです。卒業までに退院できて安心しました。それから...」



 ひとつ気づいたのだけど、ウインタはとにかくよく喋る。移動中、ほとんど彼だけが喋っている気がする。もちろんそれも、セラの改造によるもので、つまり、セラの趣味である。



 和蒲時代、男性(ロボットだけど)とそこまでお話しすることもなかったから、少し恥ずかしく緊張してしまう。




「...あの日、近くにいたにも関わらず、お守りすることが出来ませんでした。本当に申し訳ありません」


 ウインタは悔しそうな表情で私を見た。


(これもセラの“設定”なんだ...)

 分かってはいても、やっぱり理解するには時間がかかりそうだ。




「急な事だったし、仕方がないよ。あ、ほら!身体はなんともないし!」


 手を広げてクルリと回ってみせる。



「しかし…」


「もし、また危ないことがあったら、次はちゃんと守ってね。ウインタ?」


「はい。もちろんです」


 私が少し意地悪っぽく笑ってみせると、彼は少しだけ驚いた表情をして答えた。

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