第492話 再建


 魔王城の爆破を見てしまった我々が元の状態に戻るにはかなりの時間が必要だった。


「……魔王城、ひいては魔王軍ってどうなるんだろうな」


「まあ、彼がいる限り消滅するってことはないでしょうけど、それでもまさかここまで人類プレイヤーが頑張るとは思ってみませんでしたね」


「あぁ、そうだな。まあ、銃火器と建物の相性の悪さもあるだろうから、人類と魔王軍が戦ったらまた全然違う結果になるんだろうが、それでも驚きだ」


「それに、彼は今ユグドラシルにいますからねー。このまま魔王軍殲滅に動けたら人類はかなりリードできるかもですが、それでも魔王軍がもう解散していますから、各個撃破は難しいでしょうね」


「うむ」


 今回の出来事は、人類サイドのプレイヤーに大きな希望を持たせることできたと思う。このままプレイヤー同士が協力すれば、いずれ魔王討伐も夢ではないと思わせるような、それほどのことだ。


 ただ一つ懸念点があるとすれば、それはこの魔王城爆散を受けて彼が大激怒、あるいは警戒をすることによって、魔王城や魔王軍が大幅強化される危険性があるということだ。


 そうなってしまえば、折角生まれた希望が粉々にへし折られてしまいそうだ。


「なあ、そういえば魔王城はどうするんだ?」


「え、どうするんだと言いますと?」


「ほら、今までの魔王城はこちらが用意したものでもあっただろう? 再び用意してあげるのか、それとも、今回は何もしないのか、どちらなのだろうと思ってな」


「あー、確かにそうでしたね。んー、普通に考えれば一度提供している以上、こちらが用意するべき物なのかもしれませんが、それをしてしまうとちょっと魔王サイドが強くなり過ぎてしまう危険性がありますもんねー。もう彼らは十分強いですし」


「なら、魔王城再建は彼らに任せる感じか?」


「そうですねー。もし彼から直接要望があればまた考えますが、そもそも彼が魔王城を再建したいと思うかどうかも分かりませんし、ここから先は彼の采配に任せてみる方が面白くなるかと思います」


「そうか、彼ならまた別の何かを生み出してしまう可能性もあるわけか」


 そうは言っても全く想像もつかないんだがな。


「でも、このまま彼がユグドラシルの攻略に熱中しつづけたらどうなるんだ? それこそ、現実世界で全てが終わってから彼が戻ってくるなんてこともありえるんじゃないか?」


「ま、その時はその時でしょ。それは彼の問題ですし、私たちはそうなった時にまたどうすればいいか考えるだけですよー。ってか、そんなことより」


「ん、どうした?」


「彼、今攻略中の世界クリアできないかもですよ?」


「え?」


 そんなことがあり得るのか? 彼がクリアできないステージだなんて。











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本編は今日もお休みです、ごめんね(。ŏ﹏ŏ)

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