第485話 メッタメッタにしてあげる♪


「えっ!?!? ちょっとこれどういうことですか!?」


 昼休憩が終わりオフィスに戻ると、後輩がとても驚いた声を発していた。


「ちょっと昼寝してただけなのに、彼が案内人を倒してその上で多様性の世界もクリアしちゃってますよ!? これどういうことですか!?」


 おぉ、短い間にぎゅっと情報量を詰め込んでくれてるな。非常に分かりやすいが、逆に分かりにくい。


「つまり、三日くらい寝てたってことか?」


「はい? 何言ってるんですか?」


「いや、スマン。忘れてくれ」


 おっと、この世界ではあまりメタっぽいことは言わない方がいいのか? ってか、この発言自体……


「そういえば、これから先ユグドラシルでは奇跡を使わないとやっていけない、みたいなこと言ってなかったか? 案内人に勝てたってことは、彼は奇跡をゲットしたってことだよな? どんな奇跡なんだ?」


「それがですねー、相手が使った奇跡をそのまま使用することができる奇跡、何ですよ!」


「何だって?」


「え、もう一回言いましょうか?」


 いや、そういう訳じゃなくてだな。ってか、どうした、今日はいつもと調子が違うぞ??


「……その奇跡はノーリスクで使えるのか? 敵のどんな奇跡もコピーしていつでも使用できるとしたら最強じゃないか?」


「いや、流石にそこまでのチート性能にすることはポイント的にできなかったようです。裏を返せばポイントがあればできるってことですが、まあ、流石の彼でも二億年くらいポイントのみを稼ぎ続けないと無理でしょうね」


 二億年は……流石に大丈夫だな。彼ならいけそうだと思ったが流石に、な。


「じゃあ具体的にはどんな条件なんだ?」


「はい、まずは敵が彼の目の前で一度でもいいから奇跡を使用すること、そしてその後一秒以内に使用すること。まずこの二つが発動条件ですね。そして使用する上での制限ですが、相手の使用時間よりも長く発動することはできず、使用する度に自分のHPの半分を消費しなければいけないようです」


 わーお、それはかなりの条件というか制限というか代償だな。ただ、


「それだと彼からすればそんなにデメリットではないんじゃないか? HPなんて特に半減しても元から少ないし、なんならそこまで必要としていないだろ?」


「そうなんです。これは要検討かもしれませんが、スキルと組み合わせることによって、実質意味のない条件を設定することによって、奇跡のハードルを下げちゃってるんですよねー」


 まあ、彼にしかできないことだからそこまで検討する必要はないだろうが……


「仮に彼が奇跡を作成する時は、ポイント五倍! とかにしてみるか?」


「何ですかそれ、スーパーじゃないんですから! ふざけないでくださいよ!」


 いや、至って真面目なんだが?


「あ、彼早速次の世界に行ってますね。どうやらゴミの世界らしいですよ」


「ゴミの世界!?」









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食器洗いをサボっているせいで夕食が食べられないよー

雨が降ってるから外にも出られないし…

私はこのまま家の中で、、、バタっ

後は頼んだゾ

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