第486話 露天掘り
「それにしてもゴミの世界を案内するとは、かなり珍しいですね。彼とのバトルが案内人の好感度を上げちゃったのでしょうか?」
「ん、ゴミの世界は普通は紹介されないのか? あと、彼は確かNPC相手には好感度が上がりやすくなるみたいなスキルか称号持ってなかったか?」
「あーもしかしたら持ってたかもしれませんね。ゴミの世界はちょっと特殊なんですよねー。そこの神様も別にそこまで戦闘力が高いわけじゃないですし。普通に攻略しても住民が多くないのでポイント的にも全然美味しくないんですよね」
「ほう、そうなってくると確かに何故紹介したのか気になるな。というよりそもそもゴミの世界の存在意義ってなんなんだ?」
「まず、存在意義から説明すると、ユグドラシルの終着点と言えば分かりやすいでしょうか。不要になった世界や神様の成れの果て、他にも何らかの理由で追放されてしまった住民や、不必要になってしまったものなど、神様の世界だけにどれも扱いに非常に困るんですよね。そういったものをまとめて保管というか、放置できる場所がゴミの世界なんですよね」
「ほう、だから普通に攻略しても恩恵が少ないってわけだな」
「はいそうです。あと、単純に神様にたどり着くまでがとても大変なんですよね、なんせゴミの世界ですから。普通じゃ考えられないほどの様相を呈してるんですよこれが」
なるほどなー。ただのゴミの世界と思っていた場所がまさかそんな役割を果たしていたとはな。
だが彼のことだ、きっとその仕組みに気がつくんだろうな。
「あ、神様のところまでヌルっと辿り着いちゃいましたね。彼はゴミとか汚いものに対してそこまで抵抗がないんでしょうか? ただ、ここの神様もある意味一筋縄では行かないようになってるのでどう対応するか実物ですね」
「一筋縄では行かない?」
「はい、ちょっと、なんていうか扱いづらい性格になっちゃってるんですよねー。あ、ぶっ飛ばした」
「え?」
一瞬、話の流れ上彼がぶっ飛ばされたのかと思ったが、そんなはずないと一瞬で脳が判断し、あまりの性格の面倒臭さに彼がぶっ飛ばしたのだろうという推測が成り立った。
「やはり、暴力は全てを解決しますね〜。幸せな結末を迎えられるかは分かりませんが。お、流石に彼もここのギミックには察しが付いてる見たいですね。早速ゴミを処理し始めてますよ従魔に。ってか、この従魔優秀すぎません? 何ですかゾンビスライムって」
いや、それは私が聞きたいくらいだ。このゲームで一番ミステリアスな存在と言っても過言じゃないのではないか?
「わーお、こんなやり方は流石に想定していませんでしたね。宝探しのようなことをして欲しかったのに、これじゃあまるで……」
「まるで?」
「まるでクァーリーじゃないですか!」
クァーリー? 何じゃそりゃ。
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クァーリー知ってる人いるのかな?
知ってたら同志かも。
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