第483話 案内人のご案内
「お、意外と案内人と彼との戦いは、案内人が押しているようです! これは嬉しいですねー! どうやら案内人がスキルを封じる奇跡を使用したことによって彼がだいぶと苦しめられているようです」
後輩が喜んでいる。確かに彼が苦戦する所はレアだからな。喜んでしまうのもわかる気がする。
「案内人がいる場所は、彼みたいに神様になりたてのプレイヤーがやってくる所だろう? そんな奇跡もまだ碌に持っていないような相手に初手スキル封じは中々性格が悪いんじゃないか?」
「何いっているんですか! それを提案したのって先輩ですよ? それをさも私が考えたみたいな言い方しないでくださいよ!」
「ん、そうだったっけ?」
「そうですよ! それにしても彼がこんなに苦戦されるのっていつぶりなんでしょう。というか初めてでは?」
確かに。私の少ない記憶の中には彼が苦戦しているシーンは見当たらないな。彼がここで詰まってくれたら嬉しいん限りなんだが。
「え、ちょっと待ってください先輩。彼、なんかエグいこと始めちゃってるんですけど。あまりに歯が立たないからって死にまくってステータスを爆盛りしようとしてますよ!? 敵の目の前にリスポーン地点まで設置して。これ、ガチの奴じゃないですか!」
モニターを見ると、そこには物凄いスピードで死を重ねている彼の姿があった。
今まで、彼がしにまくるのは主にスキルの為だったように思う。それによって無効化スキルが獲得できるからだ。そのため、死ぬことによってステータスも上昇していたがそれはあくまで付随的なものだったはずだ。
もちろん、ステータスを上げるためだけに死んだこともあっただろうが、ここまで本気でレベリングのようなものをするとは思ってもみなかった。
そして、その結果彼のステータスの上昇値は千を超えた。
「はぁ〜、もう何やっちゃってるんですか彼はー。そんなことをしてもこの案内人は倒せないのに、こんなにステータスを上げちゃうなんて今まではスキルや称号の面から人外認定していたんですが、もうこれは確実に人外というか神ですよ。しかも、どちらかというとムキムキマッチョの方の」
確かに、これはムキムキマッチョの方の神様だな。でも、
「これをしても案内人を倒せないというのはどういうことなんだ? 流石にこれだけ上昇させれば勝てそうなものだが」
「はぁー、完全に先輩は忘れちゃってるんですね。この世界は、ユグドラシルは神の住む世界です。そして神様の主要武器は奇跡ですよ? つまり、奇跡を用いて戦うのがスタンダードになるわけです。今までのスキルを用いたものとは全く異なります」
「なるほど、だからスキルの使用を案内人は封じたんだな? その免疫を付けさせるために」
「そうですよ! だからただ性格が悪いんじゃなくて案内人は案内人の思うことがあってそう行動してるんです。っていうか、そもそも案内人は敵対しませんからね??」
「あぁ、そうだったな。それにしてもやっぱり詳しいよな。本当に案内人のロール決めたの私だったか?」
「ギクッ」
いやいや、こういうシーンで実際にギクッって口に発する人はいないんだよ。ってか、しれっと普通に冤罪擦り付けてきやがって……
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頑張って良い結果を目指すのと、
頑張らずにほどほどの結果を目指すの、皆さんはどっちが好みですか?
私は揺れてます。頑張ったら必ず結果が出ればいいんですけどね()
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