第477話 アップアップアプデ


「私が考えた彼を倒す最強のキャラーーー!! どんどんパフパフー!」


 彼女が突如としてそんなことを宣い始めた。それは、私がユグドラシルのアプデを提案した次の日のことだった。


「まず一つ目は、鼠の王、です!」


「ネズミの王??」


「はい! というか、ネズミだけじゃなくて齧歯類とかも纏めて従えた最強のキャラにしようと思ってます!」


 ん、それはじゃあ鼠の王じゃなくて、齧歯類の王なのでは?


「陸上戦は鼠やリス、チンチラ、ハムスターなど様々な齧歯類を総動員し、圧倒的な物量で押し切ります! また、ネズミは感染症を運ぶ存在としても知られいますので、腐食などの状態異常も付与できるんじゃないでしょうか!」


「は、はぁ……」


「更には、モモンガやムササビなどで空中戦にも対応できるんですよ! しかも、エピガウルスやジャイアントビーバー、フォヴェロミスなど、絶滅しちゃった齧歯類もいて、その子たちはなんとかなり巨大なんです! 総勢三十種類以上の種族に加えて、そこにファンタジー要素も加えちゃったらかなり最強になるんじゃないですか?」


「……本当にそう思ってるのか?」


「へ?」


「いや、齧歯類だけで本当に彼と対等にやり合うことができるのか、と思ってな」


「な、何をいうんですかー! 齧歯類を舐めないでいただきたい! その愛くるしいフォルムと裏腹にかなりの可能性を秘めているんですよ!? それにヤマアラシなんかもいて、攻撃力も問題ないんですよ!」


「そうかそうか。じゃあそのキャラクターも入れておいてくれ。ユグドラシルの世界観にもぴったりなんだろう?」


「うぐっ、意地悪ですねー。でも、次の案は完璧ですからね?」


 おいおい、まだあるのかよ。確かにアプデを提案したのは私だが、もっとマトモなのがくると思ってたぞ?


「なんですか、そのもっとマトモなのを用意しろ、みたいな目はー! 次は本気です。名付けて、原初の存在、ラブ・オブ・ゼロ、です! この子は常に存在自体が揺れており、一定の姿形を保つことができません。故にどんな能力をも獲得することができ、このモンスターに対抗することは非常に困難なことになるでしょう!」


 お、なんかそれっぽいのがきたな。


「ステータスは常に乱数によって決定され、ダメージを食らうと抽選が行われます。放ってくる攻撃もかなりランダム性を持たせたありますが、完全ランダムだと戦闘にすらなり得ない可能性があるので、ある一定の基準を設けて、具体的にはつよつよ技の中からランダムで発動とかがいいんじゃないかと思っております!」


 これはまたややこしいのがやってきたな。でも確かに面白そうではあるな。一定の形を持たないからこそ、対策も取りづらいだろうし。


「ちなみに、そのモンスターに弱点はあるのか?」


「弱点はー、極稀に自滅、もしくはそれに近しい行動をとってしまうことでしょうか?」


 おい、ダメじゃねーか。








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ぐへへへへ〜魔改造してやったぜ。

皆様、まだまだユグドラシルのアプデ内容をお待ちしておりますので、技、スキル、モンスター、環境などなどいくらでもお待ちしております🎶

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