第472話 久方ぶりの来訪
「せんぱーい、お久しぶりです!」
「あぁ、久しぶりだな」
最近は色々立て込んでて、このオフィスにくるのも久しぶりな気がする。もちろん、後輩と会うのもだ。いつも元気に満ち満ちている様子は会うと元気をもらえる。
「新作の調子の方はどうなんですか?」
「んー導入部分はいい感じに仕上がってるって感じだ。世界観も構築済みで後は細部をどれだけ詰められるか、にかかっているって感じだろうか。まあ、地道にやっていく他ないな」
「へーそうなんですね! まあゆっくりじっくり行きましょ〜」
「ただ、そこまでのんびりともしていられないってのも事実なんだよな」
「へ? そうなんですか?」
「あぁ、現状、NSOのアクティブユーザーがどれくらいいるのかは分からないが、少しでも流行っている内に次回作を出さなければ、せめてその香りだけでも醸し出さなければこの会社としては続かないからな。もちろん、一つ一つの成功も大事だが、何より生き延びることのお方が大切だ」
「ふーん、そんなもんなんですね。でも確かに、準備に相当な時間がかかりますからねー。人気が陰り始めて慌てて準備してちゃ遅いってわけですか」
「あぁ、そう言うことだ」
「もし、私に手伝えることがあればいつでも言ってくださいね! 経営とか会社のことはそこまで詳しくないですが、アイデア出しなら頑張りますし、もし上手くいきそうな全力で形にしますから!」
「ありがとう、そう言ってくれるだけでも助かる」
「む、別に口先だけじゃないですからね? 本気ですからね?」
「あぁ、もちろん分かってるさ。有事の際にはちゃんと頼らせてもらうよ」
「はい! それでどんな感じのゲームになりそうなんですか?」
「んー説明は難しいが、かなりジャンルは変わると思うぞ。それこそ、同じ会社とは思われないくらいのものを目指したいと思っている」
「え、そうなんですか? てっきり続編、というか似たジャンルのものを作るかと思ってたんですが」
「それも案としてはあったが、今のこの作品は私たちの全てを出し尽くして生み出したものだろう? そんな作品を超えることをまた自分たちで作り出す、と言うのは難しいと思う」
「まあ、確かにそうですね〜。あの頃は無我夢中でしたし、今では考えられないほどのパワーを全員が持っていた気がします」
「そうだな、だからこそこれほどまでの作品を作り出すことができたと思ってる。後は、仮に似たゲームを発表した時に、NSOで良いのでは、となるプレイヤーも多くいるだろう。そうなると自分たちで自分たちの客を奪い合うようになってしまう。それが悪いわけではないが、まだ私たちの規模感では早いだろう」
「確かに、超大企業でいくつもグループ会社を持っているならまだしも、って感じですよね」
「あぁ。まあジャンルが違うことで、いいこともある。それは私たちの間口が広がると言うことだ。新作からNSOにやってきてくれる人たちや、その逆もあるかもしれない。生き延びることを視野に入れるとこれも重要になってくる」
「ほぇー先輩も色々考えてるんですね!」
そりゃそうだ。社員の飯代がかかっているのだから。あと、私の胃の平穏も、だが。
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お久しぶりです!
運営編で見たい場面やシーン等ありましたらいつでも言ってください!
と言うか、ネタください()
マジで何でもいいのでよろしくお願いしますm(_ _)m
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