第471話 神の恩恵バズーカ


「あー先輩、とうとう彼、なっちゃいましたよ。神に」


「神に??」


「はい。まだ、流石に彼といえど人神ですが、それでも神であることには変わりませんからねー。これはかなり不味いですねー」


 ん、なんかいつもよりも感情の起伏が薄いな。というより、殆どない気がする。凪って感じだ。もしかしたら、彼が神になったことに対して過剰に反応してしまわないための防衛本能なのかもしれない。


「それにしても何で神になったら不味いんだ? 今までも魔王だったからそんなに大した違いはないんじゃないか?」


「はぁー、何にも分かってないですね、先輩は」


 いや、そりゃ分からないものは分からないだろう。知ったかぶりをするよりかは全然マシなんじゃないか?


「今までの魔王っていうのは、私たちも認めてはいましたが、ゲーム内システムは認めておらず、あくまで彼が自称しているだけでした。勿論、それだけの強さを備え持ち、それだけの振る舞いをしていたため、誰も文句のつけようがないですが、システムからは何の恩恵も受けられません」


「ん、ってことは神になることで恩恵を受けられるってことか?」


「はい。恩恵と言っても形は様々ですが、ただ自称しているだけの時とは雲泥の差があります。実際、彼がシステムに認められていれば、言い換えれば職業として魔王だったならば、あらゆるモンスターを自在に操り、街を、国を滅ぼすクエストが発生していたことでしょう。勿論それまでの道のりは険しいですが」


「そ、それは恐ろしいな……」


「でしょう? ま、魔王ルートもまだ潰れているわけではないんですけどねー」


「え、ってことは彼が正真正銘魔王になる日もあるのか?」


「えぇ、彼が望めば、ですが。ただ、実際には多分目指さないと思いますけどねー」


「ん、それはなんでだ?」


「だって、今のままでも十分魔王然としてるじゃないですが、今更システムに認められなくても、意のままに魔物を操れますし、街だって滅ぼせます。だからこそもっと真逆な存在、それこそ正統な神にでもなるんじゃないですか?」


「それはそれで恐ろしいな」


 ただ、心のどこかでワクワクしてしまう自分がいるのも確かだが。


「それで、彼が得られる恩恵ってなんなんだ?」


「あ、そうだ。元々その話だったんだ。もー先輩話を逸らさないで下さいよー!」


 いや、別に逸らした覚えはないんだが?


「まず、神になった時点で得られる恩恵が三点あります。霊体、奇跡の行使権、そして霊体知能ですね」


 ん、ちょっと待てちょっと待てお姉さん。


 いきなり新情報盛りだくさん過ぎて普通に頭が追いつかないんですけど。


「ちょっと一個ずつ説明してもらってもいいか?」


「あ、ごめんない! そういえば今日は友達とカフェに行く予定でした! 不味い、このままだと二時間は遅れてしまいます! 急いで準備しなきゃー!」


 そう言って彼女はドタバタとオフィスから出ていってしまった。


「えぇ……」


 そして私はふと思った。彼女は神様なんかよりもりもよっぽど神様っぽい何かなんじゃないか、と。












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今日投稿できたのは本当に偉い‼️

皆さん褒めて下さいっ!


今日はたまたま出先で時間ができたので、カフェにてスマホで執筆しました!

皆さんは集中したい時はどこにいきますか?

また、隙間時間には何をしますか?

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