第465話 自己(番外編)
「せんぱーい! 先輩って自信、ありますか?
「自信? んーない訳ではないと思うぞ? 何でまたそんなこと聞くんだ?」
「いやー最近それについて少し考えてるんですよー。ほら、小さい時って私天才でしたから天狗だったんですよね。そしたら親からは謙虚になりなさい、って教えられて生きてきたんです。親以外にも、日本には謙遜の文化ってあるじゃないですか?」
「うん、そうだな」
「でも、それと同時に自信がないのもちょっとどうだかなーって思いません? いやいや、そんなに自己卑下しなくても! って人もたまにいるじゃないですか」
「あぁ、確かにいるな」
「その塩梅というか、自信ってそもそもどこからくるのか、とか自己肯定感とか一時期話題になったじゃないですか。そこら辺て難しくないですか??」
まさか、彼女がそんな事で悩んでいるとは。正直そう言ったこととは無縁の人だと思っていた。
でもまあ、現代の病というか、誰にでも起こりうることだから彼女がそうだとしても決して驚くべきことではないよな。
「そうだなー、これから言うことはあくまで持論なんだが、それは自己肯定感と自己評価と、あと傲慢という状態がゴチャゴチャになっているんじゃないか?」
「ほう、というのは?」
「自分にはこれができる、これができない、というのは自己評価だろ? それは自分なりの基準があって周りと比べたり比べなかったりして醸成されていくもののはずだ。そして自己肯定感というのは、そんな自分が好きか嫌いか、というただそれだけだと思うぞ?」
「ほうほう、深そう」
「だから、自信があっても、自己肯定感が低い人もいるだろうし、その逆もまた然りだな。そして、自信があって自己肯定感も高くて、鼻が高ーくなってる人がいたら、それを見た周りの人は傲慢だとか、天狗だとかいうんじゃないか?」
「ほーう」
「でもそれは、そもそも自己〜ってついてるものを他人にひけらかしてるからであって、自己評価も肯定感も他人から窺え知れないはずだ。だから、そこんとこをうまくやってみればいい感じになるんじゃないか?」
「おー! これは珍しく参考になる話を聞くことができました! ありがとうございます!」
おいおい珍しいとはまた失礼だな。でも、こんな真面目な話をするのは確かに珍しい。
「ん、悩み事や相談事があればいつでも相談するんだぞ?」
「え? あ、いや自信について悩んでたのは私の友達ですよ? だから今先輩に言われたことを早速伝えてみますね!」
え、あぁそうなのか。やっぱりな。
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最近考えてることをまとめました(友達の話かも)
皆さんは。。どうですか??
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