第456話 胸のトロ
「よし、じゃあ今日は新作ゲームについてとことん話合いましょう!」
ん、んん?? これはどういう風の吹き回しだ? 彼女は確か新作には反対派だったよな? 今あるものを大切にするべきだという考えの人だと思っていたんだが……
「ど、どうしてこれまた急に?」
「いやー、これまでのプレイヤーを大切にするのと同時に、その人たちは恐らく次回作も無意識の内に期待しているはずなんです。だってそのゲームが終わったら次は何で遊ぶの? ってなりますからね。今のプレイヤーを大切にしようと思えば思うこそ、次回作にちゃんと向き合わねばならないと思い至ったのです!」
「は、はぁ……」
そんなに堂々と胸を張っていうことでも無いように思うのだが、まあいいだろう。その気になってくれたのは非常に嬉しいことだ。
「それで、何か案を思いついたのか?」
「いえ?」
おい。ってか、その返事にも何故か余韻で堂々たる雰囲気が混じってるぞ。
「でも、なんとなく考えてはきたんですよ? 例えば、思い切って恋愛ゲームに手を出してみるとか、はたまた似たような世界観で新たなストーリーを加えて物語重視で行くのか、などですかね」
お、思ったよりも真剣に真面目に考えてはいるようだな。それにしても恋愛ゲームか。考えもつかなかったな。
「恋愛ゲームというのは、恋愛シミュレーションということか? それともアドベンチャーか?」
「いや、それについてはまだ何も考えていませんね。というか、恋愛じゃなくても全く新たな分野に挑戦するという意味ではどんなジャンルでもいいと思いますね。ミステリーだったり、アクション全ツッパだったり」
さ、さいですか。
でもまあ確かに新たなジャンルに挑戦することによってそれ自体の結果は振るわなくても、我々の糧となりいつかまた役に立つ日が来るかもしれないな。
「でも、別ジャンルだと期待してくれている人たちの期待に応えることはできないんじゃないか?」
「あ、確かに」
「別に何の関係もなく出す分には全然いいんだろうが、続編だったり次回作と銘打つのであればある程度同じ路線で、それでいて一歩先に進んだものじゃないとダメなんじゃないか? 期待というのはどんどんと膨れ上がっていくものだからな」
「確かにそうですねー。でもそうなってくるとまた難しい問題にはなってきますよね。そりゃ当然ゲームの開発ですからそもそも今すぐどうこうって話でも無いですが、それでもかなりの時間を用意して世界観の構築、ストーリーの作成、そして……って感じになりますよ?」
「まあ、それが新作を作るということなのだろうな。だが、それを作ることができなければ一発屋で終わることになってしまう。それでは社員を食わせていくことはできないだろう? 我々には面白い新作を出さなければならないのだ」
「えーでも使命感ならまだしも義務感で作品作りはしたく無いですよー。それでいいのが生まれるとは思えませんからねー。まあ、まだ時間もあることだし、色々インプットしながら地道に練っていきましょう。一朝一夕にはどうせいきません」
「あぁ、そうだな」
「というわけでとりあえずご飯ですね!!」
「は?」
「今日は寿司の気分です!』
「はい??」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昼までに二話執筆が終わった時の充実感たるや……
これが毎日できるようにがんばりましゅ()
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます