第453話 本当に今
「あ、そういえば会社の買収交渉で知らなかったと思いますけど、今、彼が妖の隔世でどうなってるか知ってます?」
あ、そういえばあったなそんなの。まじかー、まあそうだよな。私が監視していないからといって彼が休む訳ないもんな。私が見ていない間どのくらい経っただろうか。その期間が長ければ長いほど加速度的に強くなってしまうからなー彼は。
知りたくないような、でも聞きたいような、そんな感じだな。まあ、絶対的に知らないとダメなんだろうがな。
「それでどうなったんだ? 彼は」
「んーとですね、あれ、どこまで知ってますっけ? まあ、とりあえず彼は大天狗を味方にしましたね」
「大天狗!?」
「そうなんです、大天狗の本拠地に乗り込んで、喧嘩を売って、当然それに勝利して配下にした、って感じですね。もう、彼よりもそれを当たり前の光景として受け取っている自分の方が怖いですよ」
「そ、そうだな……でも、大天狗って妖の中でもトップクラスに強いんじゃないか?」
「はいそうですね。天狐、大天狗、あともう一人誰だっけ? まあ、兎に角三強に入る強さを誇っていますね! しかも、土蜘蛛はその三妖に対抗する為の存在なのに、彼はその二人を従えちゃって……本当、もう私たちの狙いって全部見透かされているんですかね?」
私たち、というかこれに関してはもう彼女しか知らないことなんじゃないか? それこそ彼女の脳みそを覗き見るくらいしか見透かす方法がないような……
「あ、それにですよ! この大天狗ちゃんも彼の直接の配下じゃなくて、メガネくんの配下にしたんですよ! なんでこんなことするんですかね? まるで親会社が子会社により大きな権力を持たせてるみたいな変な構造になっていませんか?」
おい、ちょっと待て。つい先日まで買収交渉をしてたんだぞ? つまりそれは相手の企業と親会社と子会社の関係になってたかもしれないってことだ。それなのに此奴は……
逆に買収交渉があったせいでそれが想起されてしまった可能性はあるが、もっとこう気を遣えないものかね。まあ、気を遣えない、遣わないところが長所とも言えるが、このシーンにおいては大ダメージだぞ。
「そうだな、なんでだろうな。でも、配下のメガネくんを強化していると言うことは、単純に彼が強くなるだけではダメだと判断したと言うことだろう? もしかしたらいよいよ彼は本気で人類に喧嘩を売るつもりなのかもしれないな」
「え!? な、なんでそうなるんですか!」
「いやだってほら、一騎当千とは言っても流石に圧倒的数の前には彼だって思う存分力を発揮できないかもしれないだろう? それに対応できるのは彼のいる局面だけだ。戦争においては一箇所しか攻めちゃいけない、なんてルールはないからな」
「え、じゃあマジで近日中に起こすってことですか? 大戦争を」
「あくまでその可能性があるってことだな。組織としても一人があまりにも突出しているのはバランスが悪いだろうから、メガネくんが彼ほど強くなることはないにしても、それに準ずる程度の強さ、一人で一つの戦場を任せられるくらいには強くしようとしているのかもしれない」
「ひゃー、これは人類サイドは絶望ですね」
それと同時に、人類が負けると言うことは多くのプレイヤーがゲームから離れる可能性も考慮しなければならない。やはり、新作は温めておくに越したことはないだろうな。
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本当に今、たった今書き終わりました!
そして後書きを書いて今すぐ更新します!
皆さんは死にたがりを読む直前、何をしておりましたか!?
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