第445話 土蜘蛛秘話


「土蜘蛛!?」


 彼女はそう言っていつもとは違う、心底驚いたような反応を見せた。土蜘蛛がなんだというのだろうか。妖、それも妖怪ではかなりメジャーだろう土蜘蛛なんて。


 まあ確かに妖怪の中では強い方なのかも知れないが、それにしてもオーバーリアクションがすぎるんじゃないか?


「そんなに驚くことなのか? 土蜘蛛なんてよくいる妖怪だろ」


 よくいる妖怪ってなんだよ、って感じだが事実小説やゲームを含むファンタジーの中ではそうなのだ。仕方がないだろう?


「よくいるって……まあいいでしょう、先輩は知らないですもんね」


「え?」


「この子の生い立ちを」


「生い立ち?」


「はい。土蜘蛛はもともと古代日本にヤマト王権が存在していた時のこと、その王権、大王に従わなかた土豪達を示す蔑称でした。あ、因みに土豪とは地方を納めていた偉い人っていう意味ですね」


「そ、そうだったのか……って土蜘蛛っていうくらいなんだから蜘蛛じゃないのか?」


「はい。まあ正確な由来は分かっていないですがもともと手足が長いことから名付けられたと考えられております。土蜘蛛の他に土雲や都知久母という名前も散見されています。他にも様々な別称が存在していますね。また、蜘蛛の妖怪として認識され始めたのは江戸時代あたりだと言われております」


「し、知らなかったな。だが、それがどうかしたのか? ここはあくまで妖の隔世、つまりは妖怪がメインのステージだ。そんな王に叛逆する人間は別に出てこないだろう?」


「何を言ってるんですか! そこが妖の隔世である前にこの世界はファンタジー世界ですよ? つまりはなんでもありってことです。なんでもありってことは蜘蛛の姿をしたこの土蜘蛛も本来の姿は人間である、なんてもことも余裕でありなんです!」


「は、はぁ……」


「まあ、この仕様を実装したのはもちろん私なんですけどね」


 そりゃそうだろうな。こんな奇天烈な仕様、誰も思い付かないだろう。


「ん、でもそれが驚いた理由なのか? 土蜘蛛に特殊な背景があることは分かったんだが、それでも別にそれまでのことだろう? なんであんな反応をしたんだ?」


「あー、それはですね。もっと先輩は分からないことがあるんです。それは、この土蜘蛛実は他にももっといるんです」


「は?」


「正確にはあと七体、土蜘蛛は妖の隔世にいるんです」


「はぁ!?」


「そして、この土蜘蛛は従えられる野良妖の中で最強と言って差し支えないくらい強いです」


「はぁーーーーー!!??」








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私、生配信か何かしてみんなのお悩み相談をしたいという願望があります()


皆さんのささやかな願望を教えてください(あれこれ2回目な気がす

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