第444話 アイスクリームと頭痛


「あっつーい!!」


 只今、後輩が絶叫していた。どうやら物凄く暑いらしい。確かに、五月も下旬に入りいよいよ夏が近づいてきた気がする。ちょっと前までは少し肌寒さすら感じていたものの、ここ数日間で一気に夏の様相を呈してきた。


「こまめに水分補給はするんだぞ? オフィスの中で熱中症なんて笑えない」


「もーうそんな学校の先生みたいなこと言ってー。そんなことよりもクーラーの温度下げてくださいよー!」


 いや、もうかなり低いぞ? というか私からすれば寒い領域に入っているのだが。個人的にクーラーは苦手だ。これも年を取ったということだろうか。


「ほら、どうせそんなことを言うだろうと思って冷凍庫にアイス買ってあるぞ。好きなものを食べろ」


「本当ですか! さっすが〜! 分かってますね!」


 エアコンの温度を下げて電気代がかかるだけでなく、私の体調も崩したらそれこそ笑えないからな。アイスの一つや二つなんてことない出費だ。


「えー! しかもめっちゃ良いアイスじゃないですか! こんなものどこに売ってたんですか!」


 そう、ここも抜かりない。適当にそこら辺に売っている奴でも良かったんだが、私の後輩は変に、いや無駄に舌が肥えてしまっているから適当なものを出すと指摘される恐れがある。今回は専門店から良いやつを買ってきたのだ。


「ジェラートもありますよ!? ここは天国か何かですか!?」


 アイスを買うだけで先ほどまでブーブー言ってた彼女がここまで変わるのだからアイスの効果は絶大だ。


 私もそこまで好きではないが、買うだけで喜んでくれてモチベーションが上がるのならば前述の通り安い買い物なのだ。それに、賞味期限がないのも良い点だ。


「んーっ! おいひー!!」


 至極ご満悦、といった表情だな。これでこそ買ってきた甲斐があったと言うものだ。


「ん、ちょっと待て。彼が誰かと戦っているぞ?」


「へ? ほんとでひゅか? ひょっとまってくださ……うっ、あたまがっ!」


 おっと、彼女を急かしてしまったようだ。それによってアイスクリーム頭痛に襲われているな。これは冷たさを痛みと勘違いして起きる頭痛と言われている。まあ冷たさも痛みもそんなに変わらないから当たり前っちゃ当たり前なのかもしれない。


「ふぅ、ふぅ、はー危なかったー! 危うく脳が破裂するところでしたよ!」


 でも、アイスクリーム頭痛で脳が破裂すると言う事例は聞いたことがないな。もしそうだとしたら全国で今すぐ一斉にアイスの販売を中止するべきだろう。


「それで誰と彼が戦っているんですか?」


「自分の目で確かめた方が早いんじゃないか?」


「んもー教えてくださいy……土蜘蛛!?」








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4は死にたがりのおかげで好きになった数字です!

あとはまあ逆張りもあるかもですが、今日の話数はとっても良い数字ですね!


皆さんが好きな数列を教えてくださいな!

(誰かが答えそうなものは◯⚪️◯◯⚪️◯数列かなー)

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