第440話 三者三様


「せ、先輩、なんか物凄いことになってるんですけど……聞きます?」


 彼女が物凄いこと、というのは個人的にかなり大ごとだと思っている。彼女は基本的に人よりも基準がオーバーなことが多いから並大抵なことには動じないのだが、毎度毎度これだけ彼女を揺さぶる彼のぶっ飛び具合がうかがえるな。


「おう、聞こうじゃないか」


「先輩、ほら彼がグリューグルの領地内に入ったじゃないですか? そしてその時にスケルトンを妖だと言い張って渡しましたよね? それがどうやらグリューグル本人に見つかったらしく、しかもそのスケルトンがやんごとない存在だと見抜いたらしく」


 やんごとない、って使い方あってるか? まあ意味はわかるから話のこしは折らないでおくが、高貴だという意味だぞ? ……いやまあ彼から生み出されたのだから高貴っちゃ高貴なのか?


「それでなんと彼が目をつけられたんですよ! 彼を自軍に引き入れることができればこの世界で新たな風を吹かせることができると思ってるみたいなんです!」


 なるほど。私たちは彼の正体を知っているが故にそんなことを露ほど思わないが、彼のことを知らなければ確かに自分のものにしたくなるのかもしれないな。まあ、それは不可能だし、仮にできたとしても手を噛まれる、いや、手どころか全身を食いちぎられるだけだろうが。


「それがどうかしたのか?」


「いやまあ、これだけで十分凄いことなのですが、なんと彼を監視していた妖サイドは彼がスケルトンを召喚するところを見て、彼が妖を生み出すことができる可能性に思い至ったようです」


「あ、」


 確かに。プレイヤーのグリュなんとかと違ってかなり初期から彼を監視しているから彼がまだ妖を捕まえていないことも知っているのか。どこかで調達した可能性もあるだろうが、当然生み出せる可能性も否定できないのか。


 これは頭を抱えるだろうな。うん、同情するよ。


「それで両者の対応はどうなったんだ?」


「はい。まずグリューグル陣営ですが、こちらは単純に彼を捜索して引き込もうという感じですかね。どんな手を使ってでも仲間にしたいと思っているでしょう。しかし、彼が領地内にあるダンジョンに入ってしまったため、捜査は難航しております」


 ありゃま、これまたタイミングが悪かったな。ダンジョンはその名の通り迷宮だからな。単に攻略するだけよりも、ダンジョン内で人探しという方が何倍も難しい。


 それに、まさかそんなに早くダンジョンに入っているとも思わないだろうから、まだまだ接触するまでには時間がかかりそうだ。


「それで妖サイドはどうやら上に相談するようですね。一介の館のマスター如きでは手に余ると判断したようです」


 それは賢明な判断だな。ただ、上に掛け合ったからと言って手に余らないというわけでもないが、それは彼らが知る由もないことだな。


「上って具体的にどんなのがいるんだ?」


「それは……それこそこの隔世を牛耳る妖たちがいるんですよ」







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今日は偉い、本当に偉いです!!

だって18:32くらいから描き始めて、18:46に終わったんですよ?

めっちゃ集中しないとこんなことできませんっ!(知るか


そして、運営編を読んでくださった皆様には本編だけでは知り得ない情報も公開しております!楽しんで頂けてるでしょうか?


感想、応援、果し状、なんでもお待ちしております!!

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